見出し画像

VOICE for FUTABA トークイベント《レポート》 後編

2022年2月22日(日)に行われたトークイベントの模様をお届けする後編。VOICE for FUTABAの2021年度の活動の締めくくりとして、今後の双葉町の復興などについて話し合っていただきました。

【参加メンバー】
・福田 一治
・中谷 祥久
・澤上 晶
・松永 直人
・加藤 佑規
・高崎 丈 KIBITAKI代表

双葉町出身。本プロジェクトの発起人。元「JOE’S MAN 2号・キッチンたかさき」のオーナーで、2021年に株式会社タカサキ喜画を双葉町に設立。

★当日会場にお越しいただけなかった方にもオンラインで参加いただきました。

双葉町のために私たちにできること

福田 復興を進めていくには、みんなで「なにかできないか」と言っているのでなく、「自分にはこれができる」とか「自分はこれをやりたい」と手を挙げないといけないと感じます。例えば、私だったらイベントなら任せてくれと言えるのですが。

松永 私はサーキットを備えた複合施設をつくりたいと思っています。家族で遊べる複合施設をつくれば、町外からも多くの人が訪れてくれるはずです。役場の方にも協力いただきたいと相談したのですが、なかなか話は進んでいない状況です。

高崎 松永さんのアイデアはすごくおもしろいのですが、今の行政ではその提案を受け入れて行動を起こすのは難しいですよね。だから、民間から実績をつくり、それを行政にサポートしてもらう流れをつくることが重要なのかなと私は思っています。ちなみに、私はある方からお声がけいただき、一緒に双葉町で蒸留所を始めようと思っています。私の資本力だけでは無理ですが、町の外部の方と協力することで蒸留所の設立も可能になります。双葉町に来なければ飲めないお酒、買えないお酒をつくりたいですね。

中谷 私はまず、震災前に開催していた場所でだるま市をやりたいと思っています。それを見て、少しでも若い世代の人たちに双葉町を魅力的に感じてもらえたらと。新しく外部からやってくる企業や住民とも協力していきたいと考えています。

高崎 ここで、オンラインで参加している方の意見も聞きたいですね。どなたか発言いただける方いますか?

宇奈根 ふたばプロジェクトの宇奈根です。みなさんの意見を聞いて、「自分で行動を起こす」という気持ちを持つことが大切だと改めて感じています。先日、双葉町で町民の方々と話す機会があったのですが、みなさんからいろんな「これをやりたい」というアイデアが出てきました。その経験から、やっぱり双葉町に行ってみんなで話すことが重要なのかなと感じています。避難先のいわき市などで話すのとは違って、双葉町に集まって話すと、具体的な行動のアイデアがみなさんから出てきます。なので、私は双葉町にみんなで集まれる場をつくりたいと思っています。

官林 官林と申します。私もみなさんの意見を聞いて、すごく考えさせられています。私が思うのは、双葉町に住んだことがなくても双葉町の復興に貢献したいと思ってくださる方も多いですし、これから魅力的な双葉町をつくっていくためには排他的になるのが一番いけないことだと思います。双葉町の歴史を知っている私たちの想いは新しい町民にも必ず伝わりますし、新しい町民もかつての町民と変わらない温かな人になっていただけるはずです。

画像1

トークイベント開催日に、双葉町産業交流センターから双葉町を眺めた風景

今後の双葉町について

高崎 みなさんは、双葉町をどのような町にしていきたいですか?私は双葉町に対するイメージを変えていきたいと思っています。メディアの報道もあって、世間の双葉町に対するイメージは「悲しい町」ですよね。そのイメージを「夢に溢れた町」や「明るい町」に変えていきたいです。

福田 今は「双葉町の観光スポットってどこ?」って質問されると困りますよね。だから、私は双葉町の観光地をつくっていきたいです。例えば、推定樹齢1,000年の前田の大杉をパワースポットとしてPRしていくとか、私たちから仕掛けていき、観光名所の多い双葉町にしたいと思っています。

松永 震災前は双葉町の観光地巡りツアーなどを実施していたので、そういうのも復活させたいですね。あとは、部落ごとに笛や太鼓の演奏や歌い方が異なっていた盆踊りとか、昔からの良き伝統は残していきたいです。

中谷 かつての双葉町は海がきれいなことで有名でしたが、今は海水浴に来る観光客はいません。伝承館を訪れる人は増えているのかもしれませんが、1回来てもらうだけではダメですよね。何回も来てもらえる町、他の人を誘って来てもらえる町になっていかないといけないと思います。

澤上 私は正直、もとの双葉町に戻ってもらうことだけが望みなのですが、それでも町の復興を考えると観光は大切だと思います。そして、中谷さんが言っているように、1回来てもらって終わるのではなく、関係性を継続できるような仕組みが必要ですよね。

福田 こんなことを言っていいのかわかりませんが、本当は伝承館とか立派な道路とかいらないですよね。双葉町の海に必要なのはキャンプ場だと思います。

中谷 本来は昔の景観に戻したいですものね。昔の双葉町の道で昔の風景が見られるのが理想ですけど、それはもう戻らないから新しい町をつくっていくしかないのですが。

加藤 戻す努力はしないのかな、と僕は思います。昔の田んぼの風景を取り戻したり、古い建物を残したりするための努力をしていないように感じます。できるかどうかはわかりませんが、昔の双葉町の風景を残す努力はしたほうがいいと思います。復興の進め方が楽なほうに逃げちゃったのかなと思ってしまいます。

高崎 景観の話もそうですし、現在は町民の声と関係なく復興が進んでいってしまっていますよね。そうした現状を怖いと思っています。町民の声を聞きながら進めていくのが、復興の本来のあり方だと思います。だから、今日みたいな場をこれからも設けていきたいですし、町長や町会議員とも話し合いたいと思っています。今日はありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?