必ず間違うOCD家族7 (なぜ巻き込まれてはいけないか)


巻き込まれてはいけないのは、なにも家族の時間が奪われてしまうからというだけのことではありません。本人にとっても良くない影響、つまりOCDの治癒から遠ざかってしまうのです。


ここでまた、引用したいと思います。アイスクリームの例え話です。

アイスクリームが大好きなジョニーという少年に例えてみましょう。ジョニーにとって、アイスクリームは大好きな、とても欲しいものです。アイスクリームがない状態よりも、ある状態の方がよいのです。

ジョニーと彼のお母さんは話し合いをします。犬の散歩に連れて行ったら、アイスクリームを買ってもらえるということになりました。犬を散歩に連れて行く(行動)ことは、繰り返しアイスクリーム(強化子、または報酬)により先導されているので、その行動は強化されているということができます。
OCDを持つ人にとって、儀式、巻き込みは、強まる不安や不確かさを和らげてくれるものになっています。不安や不確かさからの解放は、望んている結果なのです。結局のところ、不安を感じるよりは感じないほうがよいのです。儀式や巻き込み(行動)が継続する不安からの解放(強化子)に先導されている場合、儀式や巻き込み行動は、不安や不快感が削減される(または、不安や不快感を避けられる)という報酬によって強化されているのです。

家族と取り組む強迫性障害克服ワークブック(星和書店)
著者: カレン・J・ランズマン, キャサリーン・M・ルパータス, チェリー・ペドリック

このように家族が儀式や巻き込まれ行為を行うことで、本人を不安から一時的にでも開放され(短期利益重視)、ることで、家族が巻き込まれることを強化してしまうのですね。引用の中で何と何が比較されているのかわかりやすいように表にしました。


ただ、巻き込まれがだめだという言い訳を使って、パターン1に戻ってはいけません。
それは、前進どころか後退しているとすら言えるでしょう。本人を孤独にすることと巻き込まれを止めることを混同してはいけません。



続きはこちら
必ず間違うOCD家族8 (巻き込まれはあなただけじゃない)


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