敗因を知らずんばリベンジ無し

 自民党の小野寺政調会長が、
 「『学生の103万円の壁を撤廃せい』という話があるが、そもそも何故学生が103万円も働かなきゃいかんのか?を問題にすべきなんじゃね?」
と発言して話題になっとりますがね。

 まぁ、不勉強ながら小野寺氏がそれに該当するのかは知りませんが、今や自民党の若手中堅議員は言うに及ばず、党の重要ポストや閣僚に名を連ねる方々にも所謂『二世議員』が多数を占めている現状があります。
 俗に言う“叩き上げ”の政治家が本当に少なくなった。

 “叩き上げ”というのは低学歴の方や、一般家庭の生まれ育ちから一念発起して身を起こし、草の根的な戦い方で選挙戦を勝ち抜いて議員の座を射止めた議員さんの事。
 典型的な例が【田中角栄】元総理でありますけれど。

 二世議員でなくても高学歴の方は往々にして親御さんの社会的地位が高かったり資産家の方だったりしまして、学費や生活費、親からの仕送りなどの“お金の心配”をせずとも悠々とノビノビ学生生活を送った方が多い訳で、そういう方の発想ですと、
 「学生のアルバイト?遊ぶ金欲しさでしょ?」
となりますわな。
 しかし現実は、もう何十年単位で経済不安と雇用不安の波にさらされ、子供の為の学費や都会で一人暮らしする為の生活費を十分に援助してやりたくても、なかなかそれが叶わない親御さんも少なくありませんし、それが分かっているからこそアルバイトして親の負担を出来るだけ軽くしたい、という切実な想いの学生さんも多い訳です。

 何故学生が103万円も稼がないといけないの?
 それは長らく政権の座に胡座をかいて経済の安定、雇用の安定を蔑ろにしてきた何処かの政党さんによる【驕りと怠慢】のツケを、何故か国民が払う羽目に陥っているからです!
 今だって自民党議員の関心はこの問題よりも政治資金規正法と政治資金パーティーの事に寄っているじゃないですか?!

 浮世離れした貴族か殿様育ちの政党に庶民の痛み、国の抱えている根本的病巣など感じ取れる筈が無いんですよ。
 「米が高くて買えない?だったらパン食えば?……え、パンも高いの?だったらケーキを食えば良いじゃない?」
 これを本気で思っている温室育ちの自民党議員が多そうで怖いですわ。

 こうした浮世離れ議員が多数である事が国民にバレてしまったのが、先の衆院選の根本的敗因である事に気付くまでに何年、何十年かかりますかね?
 国が破綻するのとどっちが早いかのチキンレースなのかもしれませんわね。

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