接待

 所謂“中居問題”に端を発し、そこから波及する形でフジテレビが大揺れしとりますけれど。
 ま、今更社長と会長が辞任したところで同局に対する一般視聴者やスポンサー企業の不信感は拭えないと思いますし、一度完全に“膿”を出し切らん事には同局の再生は有り得ないでしょう。
 昔と違い、このネット時代に「ほとぼりが冷めるまで暫くやり過ごせれば……」という考えは甘いと思いますしね。

 ただ、今回言われております『性接待』というものが今言われているようなあからさまな形で横行しているか?となりますと、テレビ局員とてそこまで馬鹿ではないと思います。
 強制もしくは命令でもって女子アナや女性社員に一緒にお酒を飲む以上の行為をさせる、なんて事が万が一にも露見すればどんな事になるか、は分かっているでしょうし、どれだけ圧力をかけて口止めしようとも絶対に漏れないなんて保証は何処にもない訳でね。

 その意味では今回色んな方がコメントしている中で【中村仁美】さんが仰っている事が一番正しくて信頼性があるように思います。

 個人がSNSを通じて情報発信出来る時代に、上司が部下である女子アナにそんな事を強制したとて、昔と違って反撃を喰らうのは火を見るより明らかな訳でそうなれば世間的な知名度に勝る女子アナに分があるのは明白。
 世論は見知った個人の味方をしますし、それが部下という弱い立場の女性ともなればなおさら。
 いくら会社内で権力を持っていようと世論には敵いませんし、ましてやイメージが大事なテレビ局ともなれば、そんな“ハラスメント案件”は御法度でしょう。

 ただ、例えばそうした飲みの席で、大物芸能人Aさんから“もう一軒”とか場合によっては“俺の家で飲み直そう”的な誘いを受けた女子アナさんが、同席している上司から「頼むッ!」的な目で見られてついつい断り切れなくなる。
 というケースは有り得るかもしれません。
 勿論、これが同じ女子アナさんでも経験を積んだ中堅・ベテランクラスの方なら、波風立たない巧い躱し方を心得ているんでしょうけれど。

 まぁしかし、今回のフジテレビさんだけでこの“騒動の余波”は収まりそうもない気がせんでもありません。
 現に、ラジオですけれどTBSで27年間にわたって“早朝の顔”として君臨した生島ヒロシさんが番組スタッフに対するパワハラ、セクハラ発言が問題視されて即日降板させられたりしてますしね。
 大物芸能人に対する接待とて、フジ以外の放送局が全く行っていない、という訳でもないでしょうし、事実、今はそこにフォーカスされていないので扱いは小さいものの、フジ以外の局出身のフリーアナウンサー何人かが“性接待”に狩り出された経験を語り始めておりますし。

 それにつけても、中居問題といい、接待疑惑といい、どうも問題に火を点けた某週刊誌の暗躍を疑うフシもありますわね。
 例えば接待疑惑について言えば、先ほども触れたようにSNS世代の現役女子アナがそれほど簡単に上司の言いなりになるか?と考えると、週刊誌記者の描くストーリーが昭和時代の感覚で「古ッ!」としか言いようがありません。
 中居問題にしても、『AV新法』を引き合いに、
 「いくら示談金を貰った後でも納得がいかなけりゃあ今の時代、いくらでも被害の訴えは起こせるんだよ」
と被害女性を焚き付けた可能性は否定できんですわね。

 そしてもう一つ、巷間言われている、
 「政権交代にもつながりかねない与党不利な、政治問題が盛り上がる時に限って大きな芸能スキャンダルが発覚する」 
の法則を信じるなら、それこそ民放の炎上騒動は次から次へと飛び火する可能性があります。
 そしてそれが正しいとするなら、某Nテレさんは無傷で済むかもしれませんよ。
 何せ母体が“政権の御用新聞”で名高いY新聞ですから。

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