極論的アイドル論

 今が盛りのアイドルグループ、ユニットもそうなんですが、10代から20代前半のお芝居の世界から飛び出してきたコも含めて、どんなコが売れるか?

 異性のファンに向けて疑似恋愛の対象となり得るコ
 
が売れるんです。
 物凄く分かり易く言うと《自家発電》のネタになり得るコっていうことですよ。
 男性は分かり易いですけれど、おそらく女性ファンだって《自家発電》しますでしょ?
 
 でもここから、所謂No.1……即ち突出した人気者になるのはどういうコか?
 それは“疑似恋愛”とは分かっていながら、それでもファンに、

 俺(私)でも、ワンチャン(本物の恋愛対象に)なれるンと違うか?!

と錯覚させられる“吸引力”を持ち合わせたコなんです!

 例えばAKB48が芸能界の中心へと上り詰めていく過程で総選挙が行われ、上位7名が“神セブン”と呼ばれた訳ですけれど、この7名を推していたファンは疑似恋愛の対象としてそれぞれのメンバーを熱烈に応援した訳ですが、それでもその熱量はリアルな恋愛と質的には違った筈です。
 ここを勘違いするとあらぬ“事件”に発展するのですが、少なくともこの“神セブン”でそうした事件の話は公になっていない訳です。
 とはいえ、運営の管理が上手かったのか、そうしたメンバーがそれぞれのファン達にそうした“ワンチャン幻想”を抱かせなかったが故に、グループを飛びだして独り立ちして売れた、なんてコもついに現れなかった。
 全く別なアプローチで売れっ子にまで上り詰めた【指原莉乃】さんて存在も居ましたがね。 

 指原さんは、歌唱力に自信は無い、ダンスもソコソコ、ルックスはコンプレックス……という中で必死になって“自分の生きる道”を足掻いて足掻いて探した末にバラエティの世界に辿り着いた人です。 
 完璧なトップアイドルに強烈に憧れてはいた。だからこそHKT48では教官役として後進を育てる事にも成功しましたし。
 総合プロデューサーの秋元康さんが早くから彼女をそうした裏方的役割へ口説いていたのは、今となっては慧眼と言えます。

 さて、だからといって、アイドルや時の人気絶頂な若手芸能人がファンと“リアル恋愛”に耽ったのが公になれば、これは致命的です。 
 アイドルに幻想を抱けるから《自家発電》にも耽られる訳で、幻想が自分以外の“同好の士”とリアル恋愛した日には幻想も妄想もあったモンじゃありませんのでね。
 そら~“発電機”も作動しませんわ。

 アイドルが、真偽は別として、恋愛スキャンダルが発覚した途端に落ちぶれていくメカニズムとはこういう事です。
 端的に言って『実用性』が失われるからです。

 しかし、アイドルとしての旬な年齢を超えてもなおアイドルたり得た存在が出現します。
  【スマップ(SMAP)】
 そしてその中心メンバーの木村拓哉さんは、その人気絶頂の中で工藤静香さんと結婚します。
 それでも人気者でい続けたのですから、傑出した人物と言えると思います。
 で、そのキムタクさんの伴侶・工藤静香さんですが、彼女も“おニャン子クラブ”を飛び出した人気を獲得しながら“年齢の壁”にぶち当たってはいました。
 
 ただ、彼女に勇気があれば新たな道のパイオニア(開拓者)となる道はあったのです。
 おニャン子クラブが衰退した頃からグラビアアイドル……即ち巨乳でグラマラスな肢体を持つ歌や芝居を本業としないアイドルが台頭してきます。
 水着主体で巨乳&グラマラス……これだけシンプルな“実用性”はないですわな!
 それでいて裸にはなっていない訳で、アイドルに必須な裏要素『清潔感』も担保されている。
 しかしそうした傾向がもてはやされると当然の如く似たタイプの粗製乱造が起きるのも必然。

 だからこそ、売れっ子当時から“セクシー”と囁かれていた工藤静香さんには道があったんです。

 巨乳でもグラマラスでもないセクシーな女性の象徴

となるべき道が、ね。
 ただ、これには『前例』がなく、しかも「じゃあ何をもってセクシーなのか?」が不明瞭。強いて言えば『雰囲気』としか言い様がない、言わば“蜘蛛の糸”にも似た細い道だった訳です。
 だからこそ、そこへ踏み出しきれなかった彼女は、かねてから自分のファンだと言ってくれていたトップアイドルのキムタクさんを、文字通り『咥え込んだ』。
 ………ゲスい言い方ですがね。
 ま、それが正解だったか否かは、結婚後のキムタクさんの仕事ぶりや二人の間に出来たお嬢さんの芸能界に於ける立ち位置からみて『推して知るべし』でありましょう。

 私から「どうだ!」という言及はしませんけれどね。

いいなと思ったら応援しよう!