令和版君主論

 まぁ、野党の党首選挙はともかく……誰が出馬しても、誰が当選しても、ど~にもならんですから……自民党総裁選への動きが活発化しとりますけれど。

 正直、今名前が上がっている方々、誰が当選しても“低調”国民的盛り上がりを喚起出来る候補は居りませんわね。
 主な所では国民的な期待値が最も高いI破さんは如何せん党内の人望が無い。
 その上、掲げている理想は良いにしても細部の肝心な所を突かれると持って回った言い方で途端に歯切れが悪くなる。
 女性初の総理大臣を目指すT市さんは、総務大臣の頃に報道の政治的平等が問題となった時、民放各局に放送免許剥奪をチラつかせて恫喝していたのが私的には引っ掛かります。
 そして未だ出馬の意思表示すら明確で無いものの、最大会派のプリンスである“デジタル”K野さんに至っては、マイナンバーカード普及に向けた拙速かつ強引な手法からして『その器』には無い、と考えます。
 マイナンバーカードに保険証を始めありとあらゆる物を紐付けて「カード1枚でこれだけの事が出来て、あらゆる事がこれ1枚で済んじゃう!便利でしょう?」とメリット一辺倒で押し切ろうとする手法。
 じゃあその安全性は?あらゆる行政サービスを1枚のカードに一元化する事のデメリットは本当に無いの?あるとすればその対策は?
 この辺の、まともな国民であれば当然抱くであろう疑問についてはフルシカトを決め込んでおられる。
 私の知る限りマイナ保険証に関しては「やる!」という結論ありきで具体策が示されていないものですから、医療現場の事務方は混乱と困惑に溢れているのが現状です。
 また、セキュリティ面を考えるなら、リスクは一元化するより分散させるのがセオリーな訳で、今の国の方針はセオリーとは真逆の方向に暴走しているとしか見えない。
 単純な話、某国のハッカー集団によってマイナンバーカードを集約するデータベースが乗っ取られた場合、国民のあらゆる個人情報が一発で盗まれ、コントロールを失うというのに、それに対する防衛方針は全く示されていないのです。

 一つの新たなシステムを導入する、或いは既存のシステムを大きく変更する場合、メリット・デメリットを含め綿密なシミュレーションを行ってから実施が基本なのに、K野デジタル相が推し進めている施策にはそれが微塵もない。
 それはすなわち担当大臣としての責任感が皆無だ、という事です。
 人の上に立つにあたって与えられた権威や権限に応分な責任と義務を果たさねばならない事は自明であり、権威や権限のみの“甘い汁”だけを吸おうとするような人はつまり、

 裸の王様レベルの愚か者

でしかありません。

 さて、私個人としては国会質疑の模様など観ておりますと、【小野田紀美】参議院議員が最も期待出来る政治家さんだと思える訳です。
 その舌鋒の鋭さもさる事ながら、とにかくよく勉強されていて制限時間内に出来るだけ濃密で情報量の多い質問をするかを研究努力されている。
 与党議員なのですから口当たりが良く当たり障りの無い質問をしておけば党内での立場は安泰の筈なのに、野党議員よりも尖った閣僚官僚の痛い所をグイグイ突いておられる。
 まぁ、それが彼女の人気の秘密ではあるのですが、それは同時に自民党内で打たれるべき『出る杭』として扱われる懸念があります。
 下手をすれば現在のI破さんのような。

 ま、自民党に小泉純一郎総理を生んだときのような懐の深さがあると善いのですけどね。

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