『市民の敵は市民』論

 都知事選が終わりまして、まぁ私が個人的に注目しておりました投票率も期待していた水準には届かないものの“微増”程度には上がったという事で。
やはり最悪なのは『無関心』ですからその点では“次”に繋がった、と言えるのかもしれません。

 しかし、誰が受かって誰が落ちたかを度外視したとしても、結果には暗澹たる想いが残ります。
 正直に申せば小池さんは都民ファーストの会を結成した時点で政治家としての賞味期限は過ぎておりましたし、最近のご尊顔を拝見するに消費期限すらも切れていると言わざるを得ません。
 選挙期間中に討論会を逃げ回り、街頭演説もごく僅かだったのは自らの政治信条や未来の東京都をどうするのか?といったビジョンを持ち合わせていなかったのではないか?
 ただ自分の“政治屋”としての延命や、過去8年間で構築した『しがらみ』を切り捨てる訳にもイカンので立(候補)ったに過ぎないのではあるまいか?
 ……ま、そんな彼女を選んだのは【都民の総意】なのですから部外者には何も言えん訳ですがね。

 全国メディアではあまり取り上げられませんでしたが都知事選の裏で広島県安芸高田市長選も行われ、前任の石丸市政を批判した新たな市長が誕生しております。
 旧態依然の、補助金まみれで既存勢力とズブズブな市長がね。
 ……まぁ、これも地元市民による選択ですから。

 2つの選挙の共通点は強固な組織票を持つものが勝ったという事と、人口構成比で圧倒的多数を占め、且つ有権者率でも多数派の高齢者の存在です。
 高齢者の特徴は何かというと、5年10年はともかくそれ以上先の将来未来には全くもって関心が無い、という事。そこまで生き永らえている保証がありませんからね。

 YouTubeのアーカイブが残っていると思いますが、石丸伸二氏が安芸高田市長時代に行った財政説明会の中で、彼は人口動態を用いて10年、20年、50年先の日本の未来はどんどん暗くなり、先進国どころか小国に成り下がる、と断言しています。
 現在の少子高齢化や新生児の出生数減少を考えればこの未来予測は正しいのでしょう。
 資源に恵まれようがそうでなかろうが、さまざまな技術を持ち合わせていようが、それを生かし消費する“人間”がいなければ宝の持ち腐れであるのは自明です。
 無制限に増やせば良い訳でもありませんが、人の数は即ち国力に比例します。

 それを踏まえた時に、48億もの大金をはたいて都庁舎をプロジェクションマッピングでライトアップする意味がどこにあるのか?少数の決まった人しか使わない公共施設に決して豊潤とは言えない市の財政から少なくない補助金を垂れ流し、片や土砂災害警戒区域にある保育園を安全な地域に移転する計画は度重なる議会の横槍で棚上げされたまま。

 でも、選んだのは市民です。
 危機感を募らせて動いたのも市民なら「先の事は知らん、今が良ければそれで良し!」を選んだのも市民、なんですわな。


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