親不孝の極み
実は本日10月1日というのは我が母の誕生日でございまして、二週間ほど前にもそれに関連した電話での会話がありましてね。
ま、私も来年は還暦だよ、という話で、
「えーッ!アンタ、もうそんなになるのかい?」
なんて母が大袈裟な迄に驚くもんですから、
「そんなにもこんなにも、自分のトシ考えれば分かるやろが」
「え?アタシが23の時の子だから~」
「ハァッ?!何のミエやねん!アンタが24の時にワシを産んどるやないか。ちょうど干支が二回り違うんやぞ!」
「あ、そうか」
「ッたく、スキあらば一年誤魔化そうとしよってからに。ええか?アンタが24歳の誕生日が終わって2時間後にワシが生まれとんねんで!」
……あの~、考えてみますとね。私、難産の末に仮死状態で生まれてきたんです。
つまり、私の母は自分の誕生日の大半を陣痛ですとか産気づいて過ごした訳なんです。それも予定日より6日も早くに。それで仮死状態なんですから何をかいわんやというやつで。
ま、真夜中に生まれたもんですからお産に付き合わされた看護師さんは溜まりませんわな。たぶん彼氏とデートだとかダンナと久々の……とか“予定”があったと思いますけど、それら全部オジャンにされた上に仮死状態ですから腹も立ちますわな。
「泣け~ッ!」
と絶叫しながら、看護師さんが生まれたての私……壊れかけのレディオみたいに言うな×……に往復ビンタを何発も食らわせたといいますし、それでようやく「ピエ…」と泣いたそうな。
思い返しますと、私、生まれ落ちたその瞬間から【親不孝者】だったんですわね。