オープンダイアローグとアートセラピーに共通する思想・哲学・価値
一般社団法人オープンダイアローグ・アプローチ研究会FLAT理事を退任いたしました。共に活動してきたメンバー始め、ご協力くださったみなさま、
学びの機会を共にしてくださったみなさまに、心より御礼申し上げます。
2024年4月オープンダイアローグカレッジにて「中井久夫さんの視点から学ぶオープンダイアローグの哲学」と題して、斎藤環さん、植村太郎さんにお話をしていただきました。
それをきっかけに、私が約8年間アートセラピストとして活動の柱にしてきた中井久夫さん考案「風景構成法」をFLAT講座としても提供することになりました。
「絵」を介して、対話を行うことで、参加してくださった方それぞれが気づきを得たり、交流できたり、他者の姿に自分をみつけたり、開放されたり、共に色々な経験をさせていただきました。
オープンダイアローグを広めようとしているFLATがやっているアートセラピーなんだから、オープンダイアローグを学ぶ役にたつのだろう。
一体、どんな共通点があるんですか?
参加者の方が問いかけをきっかけに考えると、アートセラピーとオープンダイアローグの思想・哲学との重なりをいくつも感じることができました。
例えば……
アートセラピーで大切にしたいこと
「また、描こうね」がゴール
絵の上手い、下手は全く関係なく、絵の分析や決めつけをするのではなく、描き続けることを大切にする。(無理に解決したり、結論を出したりせずに、対話を続けること自体を目的にする)
不確実性の中にとどまる
「絵」の意味するところはその人にしかわからない。時にはその人にさえわからない。それでも表現できたことは、何かその人の内側にあるものが外に出せたということ。「わからない」を大切に味わう
相手を変えようとしない
ありのままを認証する
可能性をみつけるetc……
オープンダイアローグとアートセラピーは手段、アプローチは違えど、大切にしたい世界は同じかもしれない…..そんなことを日々思い、アートセラピストとしての自分の活動に焦りを感じるようになりました。
もっと、もっと、アートセラピーを届けたい!
対話を重ねていると、言葉にできない思いや、
語るほど違和感が大きくなることもあります。
アートセラピーのいい点は、わからないことをわからないまま
うけとってもらえたって思えたり、
わからないけど、このままでいいんだ!って思えたり、
自分とのコミュニケーションが健全にできることかもしれません。
私自身がそうだったからこそ、「他の誰かを信頼してよい」
「信頼する」という気持ちの根っこには、
構えない、承認されようとしない、仮面を外した、
正直で、そのままの自分を、そのまま
受けとめてもらったという体験が必要だと思っています。
そんな体験を多くの方に、
特に、子どもたちに届けたいと思っています。
もし、よかったら無料(アーカイブあり)です。
子どもたちの内側にある世界の一端に触れていただけたらうれしいです。