回復の順序(基本的態度)
今日は、前回の続き
回復には順序があるんですよ。
ということをお伝えしました。
ということで、今回は
そのことについてお話ししようと思います。
自分のことをずっと攻め続けて生きてきた方が
カウンセリングを受けて
今の自分の状態は
幼い頃の、あの時の傷つきから、その影響を受けてのことだったんだ!
と理解していく場面に
よく出会います。
そうやって自分のことを
客観的に観れるようになると一転して・・・・
あれほど、私は〇〇だからダメなんです、あの人はできてるのに、私はできてないからダメなんです。
と嘆いていた人が
今度は、当時適切に育ててくれなかった親への怒りをもつことと同時に
周囲へとても批判的になり、どこか横暴な考えに偏ったりすることがあります。
というか、カウンセリングの回復にはその道が必要だと思っています。
というのは
交流分析という心理学の中で、こういったものがあります。
『自分や他者をどう捉えているのか』という基本的構えを、交流分析療法では人生態度と言います
人生態度は4つの立場に分かれています
①第一の立場
自分OK、他者OK
自分や他者に対して肯定的な姿勢
他者との間に親密な協力関係を築くことができる
②第二の立場
自分not OK、他者OK
自己否定、他者肯定の姿勢
自分に自信がなく、自分より他者を優先しがち
③第三の立場
自分OK、他者not OK
自己肯定、他者否定の姿勢
他者を自分の思い通りにコントロールしようとする
④第四の立場
自分not OK、他者not OK
自分や他者に対して否定的な姿勢
人生そのものに価値を見出せない
とあるんですね。
このことを表にすると
この記事の1番上のようになります。
学びでは
第4から3・2・1と進むと書かれていますが、必ずきっちり順番ではなくて、ごちゃごちゃ混ざりながら進んでいくのだと思います。
ですが、私の臨床の中の印象だと、元々第2と第4をいったり来たりしている相談者様が多いせいか、カウンセリングが進むと第3の、ざっくりいうと周囲への攻撃に転じることが多い気がしています。
私が悪い
私さえちゃんとしていれば
私はOKでは無い
という立場と
こんな私を気に留めてくれない親
ちゃんとケアしてくれない親
見捨てた親
拒否した親
つまり、自分もOKじゃ無いけど、相手もまたOKじゃ無いという立場です。
きっと最初から
この2つを強く持っているので、転じると逆になるのでしょう。
そして、この段階では
相手に腹が立ったり
相手を批判したりしているように見えますが、実は愛されなかった現実を嘆いているのでしょうね
私はお話を聞いていて
そのことをとても強く感じています。
でも悲しいとは認識されず、というか、認識されないから別の感情としての怒りが覆い被さっている姿なのだと思うのです。
この段階はとても大事です。
大事というのは
じゃあもっと怒る時間が必要なのか?
もっと怒りを正当化してあげたら良いのか?
と思われるかもしれませんが、大切なことは・・・
その怒りをしっかり吐き出せたら、その先に悲しみがあるところに触れられるようになります。
グリーフと言いますが、そこまで来たらもう回復は目の前です。
回復とは、自分で自分のケアができること。
自分で自分を大切にできること。
だと思うのです。
だとしたら、最後に現れる悲しみはきっと静かに抱えられ癒されていくでしょう。
こうやって、回復するには
順序というものがあり、私は一つでも飛ばしてしまうと中途半端な感じになるなぁと思っています。
最後に、もし回復の途中で、人に対して批判的な気持ちになることに嫌悪しているとしたら、もしかしたら回復途中なのかもしれませんね。
もしそうならば、今はそういう時期に来てるんだなぁって、ここまでよく頑張ってきたなぁと、今の自分にヨシヨシしてあげて欲しいと思います。
この道のりは、1人ではなかなか孤独を感じます。
あなたのストーリーに心を寄せてくれるあなたが安心できる誰かに、ぜひお話しして欲しいと思います。
色々ありながらも
順調に回復に向かわれますように。
それではまたね。