『やめる時間術』:時間を見直し生き方を問う。
Voicyのパーソナリティのワーママはるさんが1月18日に本を出されました。
タイトルは『やめる時間術』。ターゲットは仕事家事育児で時間がないワーママの方々。
私はこのターゲットから外れるものの、日頃からリスナーとしてワーママはるさんの考え方からたくさん学びを得ているので、書籍も迷わず予約購入。期待を裏切らず、すぐに実践したくなる内容でした。
著者が何年も試行錯誤をした内容を1冊で学べるのが本のすごいところだな、としみじみしてしまいました。
さて、この本はタイトルの通り、「やめる」ための考え方ややり方、そしてそれだけでなく、やめた時間に何をするかが詳しく書かれています。
当たり前ですが、1日は誰しも同じ24時間。物理的に増やすことはできないですよね。でも、何かをやめれば・・・そう、使える時間を増やすことは可能です。
『やめる時間術』は大きく分けて、下記のステップがあります。
1.現在の1日の時間の使い方を「見える化」する・・・見える化力
2.可視化した時間で「引き算」ができるものを見つける・・・引き算力
3.生み出された時間に“理想の人生“のためのアクションを足す・・・足し算力
自分が何にどのくらい時間を使っているのかを可視化することが、この時間術のスタートラインです。なぜかというと、何にどのくらい時間を使っているかわからないと何をやめるべきか分からないから。
「見える化」ワークを実践すると、いかに自分が注意力散漫かをまざまざと見せつけられているような感覚になります。でも、全てのタスクで完璧にログが取れなかったとしても、時間に対する意識づけが変わりますし、
・何をしていたかよくわからない使途不明時間
・見積もった時間よりもオーバーする作業(これが他の作業時間を圧迫)
がわかるようになります。
そして、時間を「投資・消費・浪費」に分けて分析をしたり、タイムパフォーマンスを上げるために変えたり、やめたりすることを洗い出して、引き算のためのアクションをスモールステップで実践していくんです。
私は「何かをやりたい」と思うと、現状に単純にそれをプラスしようとしてしまうことが多いんですよね。でも、何かをプラスするためには何かをする時間をひき算しないと時間の収支が合わなくなってしまいます。
ただ闇雲にやることを増減させてもうまくいくはずないんですよね。
はるさんは、引き算のやり方と大切さについて、とても丁寧に説明してくれています。
まずは見える化。次に引き算。この順番はマストです。
そして「足し算」。
私は、この「足し算」のパートが一番衝撃を受けました。
まず、はるさんは足し算の前に「理想の1日」を書くのだそうです。そうすると、現実と理想とのギャップが見える化します。
「引き算」でできた余白の時間に、理想の1日の過ごし方に近づけるよう、そのギャップを埋めるためにできることをアクションとしてプラスするそうです。
私も目標を達成するために意識的に時間を作り、英語の勉強や読書、運動をするようにしています。
しかし、それは「今」の自分の仕事に役立つからとか、もっと色々知りたいな、という知的好奇心からくる理由が大きくて、「理想の1日」(理想の人生)を送るためにやるべきことかどうかという基準ではなかったんです。
今の仕事のパフォーマンスを上げていくことも私は大事だと思います。
しかし、もし、今の仕事をずっと続けていくことが「理想」ではないとしたら・・・。もっと優先的にすべきことがあり、やめるべきことがありますよね。
英語の勉強であれば、内容を変えるとか、そもそも一旦やめる、という選択肢もあるかもしれません。読書であれば、好きな本ばかりではなく、理想の1日に近づける情報収集のための本も選ぶ必要があります。
SNSでフォローする人も変わるかもしれませんね。
はるさんはこの本でこんなふうに表現しています。
「引き算」は「人生の優先度づけ」、「足し算」は「人生の選び方」
この本は小手先の時間術ではなく、人生の見つめ直しのきっかけになる本です。
私も、もっと自分の人生と向き合って、どのように時間を使いたいかを考えたくなりました。
おうち時間が増えている今、手に取って生き方を考えてみるのもいいんじゃないかなと思います。