花を拾って、生きていく┊︎ここのやさいの日記
「いい曲流れてるじゃん!」
折坂悠太の『朝顔』が流れる私の車に乗り込んむなり彼女はニコニコして言った。
昨日は、レコード屋のお姉さんのひとみさんと仕事終わりに遊んだ。私も、『朝顔』は超いい歌だとおもう。
ひとみさんは、うちの猫のことをたいへん推してくれていて、「今度あそぼ!」と誘ってくれたので、「猫見に来ますか?」と聞いたら二つ返事で「行く」ときたもんだ。
ふだん家では作れないタイ料理を食べてから、うちで猫を見ながらコーヒーでもどうですか、というプランは即採用され、猫がメインかと思いきやなんと4時間もお店で喋ってしまった。
ふたりでじっくり話すのは初めてだったので、私の小さなお客さんのプリンセスのことや、お互いの学生時代のことやひとみさんのふたりのお子さんの育児の話、おばあちゃんとの思い出、とにかくいろんな話をして、聞いた。
ひとみさんから出てくるエピソードトークのどれもがおもしろくて、ドラマチックだった。あと彼女がそういう話をチョイスしてるのか、人間性のなせる技なのかは分からないけど、ドキドキハラハラしながら聞いてもそのどれもに笑いと救いがあるのが印象的だった。良かった、今その人たちは幸せなんですね。
昔の苦しかった自分に重ねてちょっと泣きそうになった話もあった。たぶん本人はそんな気はサラサラなく話してる。でも、ありがとうございます。私も、お姉さんみたいな大人になっていきたいです。
途中、『花束みたいな恋をした』の話になった。お互いに最近観たばかりで、今度会ったときには感想を語り合おうと約束していた。
花束みたいな恋の話をしてたはずなのに、気づいたら、個人で仕事をするうえでのバランスのとり方とか、自分の見え方とか。誰かと一緒に仕事するときの主語はweを使いたいとか。全然花束みたいな恋バナじゃねえの。でもたのしかった。
お家に着いたら、うちの人見知りの猫がひとみさんにお腹出していた。すごい、大進歩!お姉さんは平気なんですか?
そして、修理をお願いしていたsplendideさんのネックレスが届いてた。なんと、ブレスレットまで同梱されてた。ブレスレットとかつけたことないから、なおさら嬉しくて、キャー!となってたら、ひとみさんが、「プリンセスの証だね、ブレスレット!」と言った。
おうちに送る車内ギリギリまで、なんなら着いても、昔飼ってた犬のジャックの話を聞いた。これは、「今度会ったら話すね」って言われてた話だったよ。ジャックは賢くて、でもちょっと抜けてて、素直な犬だった〜!
花束みたいな恋の話をしてたはずなのに、いつの間にか仕事の話になってるようなビジネス・プリンセスだけど、こういうお花のような出来事を、ひとつひとつ拾って、オリジナリティ溢れる花束を作っていこうと思います。そんな、朝顔から始まった、花束みたいな素敵な夜のおはなし。