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[COLORS]~色覚と神様と~③

COLORS… 日本人と水色と…



私たち日本人が水色を知ったのは
いつからでしょう…。


その水色という色は

そもそも
青カテゴリーとして分けられていた
ひとつであった存在。


その美しい色合いは

日本人の心の目には 
どの様に
写し出されていたのでしょう。


さて
三回目になります
[色覚と神様と]

~COLORS~

前回にひき続き




著者 川端裕人

「色のふしぎ」と不思議な社会

の書籍から

水色の歴史を辿ってみましょう。




こちらの書籍でみていくと
世界標準で11カテゴリーに加え
日本人には8のカゴテリーが増し加わります。


その中でも特記すべきものが




水色

と言うことです。



しかし30年前の研究では
水色は青と呼ばれていたそうです。

つまり青/水色カゴテリーの分離が
不完全だったと言うことでした。



川端氏によると
今回の彼のおこなった研究での
結果として
この様に述べています。


参加者間での水色カゴテリーの一致と
青/水色カゴテリーの分離度がいずれも

(30年前の)
以前の研究より
高い事を統計的に
示すことができました。

~色のふしぎと不思議な社会~著書抜粋



それで
水色という

その色は

日本語の12番目の基本色であると言って
いいのではないか…とも述べています。


30年の間に「「水色」が
日本語の基本色に加えよう…。


そんな嬉しいお言葉がありました。


さてこちらの著書では

同じ言語でも時代や
社会的 文化的な背景の流れにより

基本色が増し加わるという

その事に対して
様々な視点から

興味深いと語られるのです。


私たち日本人が歴史上
水色をどの様に見つめてきたのか


今回は
その独り言をつぷやいてみたいと思いました。



さて
その水色について
調べてみると
日本の色

伝統色があることが
わかりますね。



詳細参照

https://irocore.com/
~伝統色のいろは~


お着物についても
日本語の
その色の表現が美しくありますが




そうですね…

または

武道をなさっている方
剣道の武具にある


胴の色合いについても

なんとも曖昧な色等を
仕様していますが

その表現される日本語も 

日本人の心の表現に使われる
曖昧模糊と言われる言葉

その繊細さと
ふしぎさを感じます。




例えば

青色の中でも

水色に近い
み空色と言う言葉の色があります。


その色の由来は

み 御 は神や自然を神聖なものを表す時に
よく使われていたそうです。


「み」を付けることで
空に対する敬意を込めた

美しい感謝の念を込めた言葉とも
言えるようです。


さて

その背景にアニミズム的かどうかは
一旦
置いといて


角度を変えれば

良い意味でも良ろしくない意味でも

その領域は
別にして


日本人がどれ程か
繊細な心を持つ存在であるのかを
この様な色覚の

言葉の表現には
驚かされます。


他にも

古代の藍染の色名で渋い青色
万葉の表現で

次縹(つぎはなだ)





または

藍色よりも

薄く浅葱色よりも濃い色の


縹色(はなだいろ)


平安時代は縹色と表し

そして
江戸時代は花色(はないろ)と色名を変えて
伝わってきたと言われています。


また
御納戸色 (おなんどいろ)


錆御納戸色(さびおなんどいろ)

こちらの

さびおなんどは

くすんだ深い緑がかった青色。

江戸時代の流行色の一つと言われています。

錆御納戸は元の

『御納戸色おなんどいろ』に

「錆」がつくことで

御納戸色より
灰色がかった色であることを
表しているそうです。

錆御納戸色のように「錆」の付く色は

元の色より渋みを増したこともあって
その時代の人々に

「粋」な色として大変好まれたと言う色でした。

他にも
『錆利休さびりきゅう』

『錆浅葱さびあさぎ』『錆青磁』
『錆桔梗』

錆のついた色名があるようですね…。




季節折々の色豊かな日本の風土


文化に触れた

その水色と言う言葉の音や
かたちには


なんとも美しい

神様の想像された自然




それを愛した日本の人の

心の目が



色覚という存在を

さらに
美しくさせたことでしょう。





色覚…

今回は


著書
色のふしぎと不思議な社会

169頁参照

「水色」は新しい基本色だった



今回は
魅了されて
続いてCOLORSとして

こちらに綴らせて頂きました。



30年前には
青と水色のカテゴリーが不完全だった…

不完全な人が
みてきた青色…。


著書ではこの水色視点から
171頁にて

まとめに
川端氏はこうまとめています。



色覚異常として語る場合
常に色違いが問題になるけれど
ぼくたちは普段から
ごく普通にお互いに間違い合っている
(もちろんどちらが正しいというわけではない)のである。~色のふしぎと不思議な社会~抜粋





COLORS
それぞれの色

それぞれの人




時代と共に
色が鮮明に


明確に

ことばのカタチとなり始めているけれど



そのような中でも


もともと日本の人達は



その色覚の
表現豊かに
語ることの出来る


なんとも言えない


自然の美しさを
そのまま

言葉と色名に
してしまった人達…


今回の
水色から



そんなときめきを覚えた

五月の朝でした…。





~ブルーグレィの教会で~


黒でもなく

白でもない


それは
人の心模様のグラデーション




不完全な人の独り言…。




感謝します…。
















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