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ここのね活動報告レポート|2022年10月

みなさん、こんにちは。ここのね自由な学校のスタッフこうちゃんです。

激動の9月を駆け抜け、いよいよ学期末を迎える10月。9月よりもスピード感を増し、スタッフも子どもたちも前期の追い込みに自らのお尻を叩いて全力疾走しておりました。

今回は、その中からいくつかのポイントに絞ってここのねの様子をお届けしていきます。

ここのね校舎改修プロジェクトのいま

昨年のクラウドファンディング。明治創業の元酒蔵を学校にリノベーションしよう!とたくさんのご支援をいただきました。ありがとうございました…!!!

水が噴き出した校庭は、9月の工事で完璧に綺麗になりました。そしていよいよ今月はトイレの棟上げ。その工事を行ってくれているのは、大分県佐伯市のイースマイルさんです。

もうそれはそれはたくさんのお仕事で本当にお忙しい中、完全ボランティアでトイレ作りをしていただいております。
にもかかわらず、子ども達に一日も早くトイレを届けてあげたいと「いつも行けなくて遅くなってごめんなさい」とメッセージをいただきます。
ここのねだけの力ではここまでの状況になっていませんでした。本当に頭が上がりません。心からの感謝を込めて、いつもありがとうございます!

トイレの棟上げが行われました!

9月に基礎工事がほぼ完了し、10月はとうとう上棟をすることになりました。

上棟の朝

この日はイースマイルさん2名以外に大工さん2名の計4人で作業をしてくださいました。

柱が立ち上がる様子

「コン!コン!コン!ビーーーーーン!」

授業の横で工事が進められていきます。その様子が気になる子どもたちは、スタッフにバレないように外の様子を眺めておりました。(バレてる)

校舎2Fの教室から見た様子

建物が立ち上がる様子なんてこんな間近で見る機会なかなかありません。「スタッフにバレバレでいいので(笑)ぜひ目に焼き付けてね!」と子どもたちに話をしました。本物を見るという体験も子どもたちの知的欲求を高めるなぁと感じます。

建物の形がはっきりとわかる状態

そうこうしているとお昼までに建物の全体像が見えてきました。やはりプロの手際の良さは凄いです。とてもカッコいい姿でした。

屋根部分まで完成

午後になるとあっという間に屋根まで出来上がっていました!

「えっ?もうこんなにできてる!!!」

子どもたちと一緒に叫んでしまいました。

上棟の完成!

ドーン!!!

トイレの上棟が無事に終わりました。この日は屋根まで貼り終え、ここから外装・内装の工事に入るということでした。一瞬で出来上がってしまったトイレの上棟。

「まぁここからボチボチとやっていきますので、もう少しかかります。」

いいんです!全然いいんです!子どもたちもちゃんとわかっています。

年末年始や年度末は公共工事で忙しくなるはずなのに、少しの時間を見つけてはここのねのために来てくださるイースマイルさん。これが当たり前ではなくいつも感謝の気持ちを忘れずに、日々の教育活動にさらに邁進するのが僕たちの役割です。がんばります。

その日の夕方。子どもたちが帰宅し、上棟されたばかりのトイレにて瞑想をしてみました。木の匂いがとにかく心地よく、安らげる空間がここにできるのだと確信ができました。

トイレの横には小さな事務所もできる予定。どんな使い方ができるのか?いまから楽しみです♪

【前期の最大イベント】学習発表会を実施しました !

今年度、4月から自然体験プロジェクトを行なっています。ここのねクリエーターのケイコさんによって、山や川、田んぼに滝巡り・そしてもののけ姫の鑑賞など、自然を体験しながら、その中にある「なんで?」を探す授業を行なっています。

そして、前期のまとめとして学習発表会を開催しました。

前期の発表会は、体験の中から生まれた「なんで?」を子どもたちが深く掘り下げていき、新聞ポスターの制作をしました。その内容を、保護者、卒業生、ボランティアさん、学習サポーターさん、ここのねクリエーターさん、など約40名の方に向けてポスターセッション形式で発表しました。

とはいえポスター制作は簡単な道ではありませんでした。本番まで残り3週間。「いまからポスター作りをします!」と話をすると「え〜いやだ〜」の声がありました。初めての取り組みでもあるし、先の見通しが持てなくて不安になる気持ちがあったのだと思います。

その姿が大きく変わったのは、地域の図書館や資料館に行った時でした。これまでの体験によって点と点でバラバラになっていた知識が、説明を聞いたり情報を収集することで繋がっていきました。

石橋の作り方

豊後大野の地質や地形について説明を受けている子どもたち。9万年前の阿蘇山の噴火によって大きな影響があったことを知って、子どもたちは興味津々です。

こちらは昔の暮らしについての展示です。実際に使われていた昔の家を建物内に移築したものを見学しました。

これはなんの道具だろう?

現代では見かけない道具に興味を持ったようです。

「なるほど〜そういうことか!これ書きたい!」

そんな言葉があちらこちらで聞こえてきます。

書きたいことができたら、あとはひたすら書く!!!最後の最後まで、書いて書いて書きまくる子どもたち!

もう嫌だ…なんて言葉や間に合わないかも…と焦りを感じる子どもたちもいます。計画的に進める子、本番直前まで原稿を書いている子など、ポスター制作にも子ども本人の個性が現れます。

紆余曲折ありながらも、どうにか本番を迎えます。

キャンプの不便×エコな暮らし=江戸時代の暮らしを調べて発表している彼女。高学年らしい深い内容となっていました。

たくさんの大人からの質問にも自分の考えを述べています。きっとめちゃくちゃ緊張していたはずですが、大きな声でハキハキと発表している姿が印象的でした。

最後には付箋に感想を書いてもらい、直接フィードバックをもらいました。たくさんのコメントをもらった子どもたちは「嬉しい!」と発表したことに満足げでした。

発表会後には、関係者の皆さんでたこ焼きパーティー!前期の振り返りをしながら、これまで頑張ったことをお互いで労いをしました。皆様お疲れ様でした!!!

いやぁ〜楽しかった。

最後に、今回の発表会にここのねの学習アドバイザーとして来てくれていました、大屋敬一さんがラジオ(stand fm)で昨日の学習発表会で感じたことをお話ししてくれています。

元校長先生の大屋さんは、色んな場所でポスターセッションを見てきた方です。ここのね自由な学校の子どもたちの発表は、「質が高い」とお褒めの言葉をいただきました。

外部の人から見て初めてわかるここのねの現在地。それがわかった学習発表会でした。ラジオも全部で30分くらいの放送ですが、始まってから8分くらい経ったあたりからここのね自由な学校の話が始まります。

ぜひ聴いてみてくださいね♪

【大屋さんの今回の放送】

【子ども企画】ハロウィンパーティーの開催!

前期最後の10月27日。3人の高学年の子が「ハロウィンイベントを企画したい!」と声をあげ、準備してきたイベントが行われました。

企画者の皆んなはラボやお昼休みの時間を使って、当日のランチやスイーツのメニュー、ハロウィンにちなんだ遊びを考案します。

「今の時期はカボチャが沢山あるから、カボチャを使ったレシピにするのはどう?」
「皆んながおいしい!って思うレシピはどんなだろうかな?」

と、図書館から借りてきた本を読みながら、「季節」と「みんなが喜ぶ姿」を想像する企画者さんたち。

🎃カボチャクリームのプチサンド
🎃おばけマシュマロのクッキー
🎃カスタードorカボチャクリームのシュークリーム

当日間に合いそうにないことから、シュークリームの生地や蒸しかぼちゃは前日に仕込んでいました。

お昼ご飯はボランティア神ちゃんにリクエスト♡

午前中いっぱい、スイーツ作りやお部屋の飾り付けを行い、企画者さんの「今からハロウィンイベントを行います!」と声をかけ、料理やスイーツの紹介をして、イベントスタート!

みんな、「わー!カボチャだ!可愛いね♡」「美味しい!」とあちこちから喜びの声が飛び交います。

食事を終え、次はお菓子をもらいに近所のお家やお店をまわりにでかけます🍭

地図に隠されたヒントを頼りに地域を回ります

寄りたいお店のリストをあげ、配ってほしいお菓子を自分たちで準備して、お店ごとに「企画のこと、お菓子を配ってほしいこと」を丁寧に伝えました。

1件目のお宅にてお菓子をもらう子どもたち

いざ、お菓子をもらいにお家へ伺うと、子どもたちが準備したお菓子以外のものも準備してくれていたご近所のおばちゃん。他のお店のひとたちも追加でお菓子を準備し、個包装にしてくれていたのです...!

それを見た企画者の子たちは、目をまんまるくして「え?どうして?いいのかな?」と、申し訳なさそうに思うも、最終的には、近所の方の温かさを心に留め、満面の笑みと想いのこもったお礼を返していました。

チーム別の「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃイタズラするぞ!」

無事、近所のおばちゃん、美容室、銀行、パン屋さん、お肉屋さん、電気屋さん、椎茸屋さん、スーパーとここのねのご近所さんをまわることができました。

協力してくださった皆様、本当にありがとうございました✨

ここのねに帰宅して、お次はゲーム大会。

しかし、子どもたちの中で、「人狼したい!」「風船バレーがしたい!」と意見が割れて、気持ちがぶつかり合ってしまいます。

風船バレーをやりたい子が多数。人狼をやりたかった子は3人。

3人だと人狼は盛り上がらないし出来ないよね。どうしよう。」と人狼をやりたい子たちが話し合い、「せっかくみんなが参加するイベントなんだから、どっちの気持ちも優先して、人狼と風船バレーを半々の時間ずつやるのはどう?」と提案しました。

「とは言っても、もう時間は少ないしどっちもやるのは中途半端じゃない?だから、自分たちがやりたい方だけやればよくない?」

「強いて言うなら風船バレーがやりたいけど、どっちもやるのもいいよ。」

「みんなでやる日だから、みんなができるようにどっちもやるのがいいと思う。」

と、皆んな、自分の想いを口にします。

最終的には、みんなが楽しめる方法にするべく「10分ずつ両方しよう」という「こたえ」を子どもたちの力だけで出しました。

話し合いの時間は約20分。側からみていると「話し合う時間が長くなればなるほどゲームする時間はなくなるよ!」と思いますが

ひとりひとりが意見を出し、子どもたち同士で話し合い解決することこそが大切なのです。「折り合いをつけ、わたしたちのこたえを創る」経験ができました。

最終的には、イヤイヤする人は1人といなく、みんな全力で風船バレーも人狼も楽しんでいました!

まとめ

いかがでしたでしょうか。これ以外にも、川で炊飯、大分県知事訪問、高学年テストなどなど盛りだくさんだった10月。

発表会に向けての取り組みは、常にやりたいばかりではなかったけれど、体験を学びに変えるための経験を積むことができたのではないかと思っています。

なにより「やってよかった!満足してる!」「もっと練習して工夫できたらよかった!」と子どもたちからの声として聞けたことで、確実に良い学びにつながっているのだと感じます。

来月からは後期が始まります。さぁどんなドラマが待っているのか。楽しみですね!今月も最後まで読んでくださりありがとうございました。またこちらでお会いしましょう!

それでは、また!

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