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つわものどもが・・・ その1
年明けに夫の実家に帰った時に
口数の少ない母が珍しく
「死ぬまでに、生まれたところを見ときたいんよ」
と言いました。
以前、こちらから誘った時には
「足が悪いから」 と断られたのですが
ご本人からの申し出です、これは応えねば!
「五島列島生まれやんな」
「ちゃうよ」
「え?!おやじ、五島列島やって言うてたで」
「崎戸よ」
男の子というのは 母親とあまり話をしないものなのですね。
こんな感じで今回の旅は始まりました。
「お父ちゃんも姉さんのだんなさんも
炭鉱で働いてたんよ」
これも初めて聞く話でした。
市町村合併をしていたので少し手間取りましたが
西海市の蠣浦島が育った場所だとわかり
その隣の崎戸島の民宿を予約しました。
「佐世保からね、船で2時間かかるんよ」
幸い、すべての島に橋が架かっており車で行けることがわかりました。
レンタカーの手配をし、車椅子は弟にレンタルを頼み
戸籍関係の書類を取り寄せてみると
「瀬戸」という地名
ん?
そういえば
「帆掛け船でね 瀬戸までおとうちゃんとお墓詣りへ
行ってたんやけどね・・・」って話してたな
風がなければ かいで漕ぐ
うまく漕げなくて大変で 海に落っこちたことも
あったらしい
「軍艦島も見えた」
炭鉱ができて、島に移住したようなのでした。
異動届は出していなかったんですね。
50年も昔のことです。
有名な観光スポットもない
予約しようとしたホテルは電話がつながらず
旅行会社で当たってもらったところ
今年の3月に ばたばたと数軒宿泊施設が
廃業したらしい という情報もあり
ゆっくりなにか面影が残っている場所が
見つかればいいね くらいの気持ちで
細かいスケジュールは立てずに旅立つことにしました
つづく