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え?歯磨き粉を使うのは「エチケット」ですよ?

タイトルにつられてなんとなくポチったあなた、騙されますよ!

……ってほど大層な話ではないのですが、今回は上手い商品のネーミングとその心理についてnoteします。

先日、ふと洗面台を見ると、見慣れぬ歯磨き粉がありました。母が買ってきたようです。私は一時期歯磨き粉を使いまくって知覚過敏になって以来、あの怪しくもケバい塗り薬は使ってないのですが、この歯磨き粉を見た途端、思わず手にとってしまいました。まだ真新しいチューブのその正面には、歯茎を思わせるピンク地の上に、真っ白な文字で「エチケット」と書かれていました……。

私がつい手にとってしまった理由、おわかりでしょうか。以下でもうちょっと掘り下げて、歯磨き粉を例に「商品の名前の付け方」を3つに分類してみます。

商品のネーミング法 3選

1.商品を端的に説明したもの

商品名=商品そのものです。シンプルですが、万人向けで分かりやすいのが魅力です。

例)せっけん歯磨き、薬用デンタルジェル など。

2.商品を使ったときのメリットを説明したもの

「売り」や「押し」を見せたい商品はこの名付け方ですね。

例)クリアクリーン(真っ白な歯になりそう)、ノニオ(口臭を防げそうだ…)など。

3.商品を使わなかったときのデメリットを説明したもの

それが今回のパターンです。

例)「エチケット」など。

他にもなんかよくわからないけどカッコイイ名前、とかもありましたが、ひとまずこの3つに分類しました。

「エチケット」とは要するに「これを使用することで最低限のマナーを守れますよ」という意味だと思います。私は今のままではもしかしたら他人に不快感を与えているかもしれなくて、これを使うことでようやく普通になれますよ、という……どちらかというと、もともと購買意欲のなかった人に向けて、問題点を指摘して買わせるやり方です 。

人はネガティブなことを忘れられない

私はよくYouTubeを見るのですが、その合間に入る広告はこの手法が多いです。「今どき脱毛していないなんて信じられない!」とか、「ダイエットしていなかったばかりに振られちゃった」という見出しの広告です。また、YouTube動画自体も「〇〇がダメな理由」など、ネガティブなタイトルのものが多く見られます。

実際に、心理学用語でも”ネガティブバイアス”という言葉があるほど、ポジティブなイメージよりネガティブなイメージの方が注目されやすく、記憶にも残りやすいと言われています。これらのタイトルやCMは人間の心理を意識した構成になっていると言えるでしょう。

ネガティブバイアスを理解した上でうまく付き合おう

ネガティブバイアスを利用した販売方法は、ちょっときつい言い方をすれば「煽り商法」にも感じられます。

全力で楽をしたいここねとしては、このテのやり方は、わざわざ掘り返さなくていい問題を持ち込まれた気がして好きじゃないです。が、ネガティブバイアスを上手く利用することで、怠け者な人間を動かしたり、やりたいけどやれなかったことを行動につなげる事もできるので、心理は使いようということでしょうか。

それにしても「エチケット」ってあたりが表現としてハズシが効いてて上手いなあ~。まるで、食事中に私が喉に水を詰まらせて咳き込んでいると、隣の良いところのお嬢さんがスッと自らの白いハンケチを差し出してくれたかのようなさり気ないネーミングセンス(?)。上手い。これくらいの言い方なら、私も使おうかなって気になっちゃう。現にわたしの母はまんまと買っちゃってるし。も~母ったら”ネガティブバイアス”に踊らされているわ~。

と母に力説したら「??単に一番安かったから。」と言われました。

うん!安いは正義だもんね!知ってる!!

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