気づくなら今。悩みこそ人生の宝。
今やっているあるオンラインゲーム。
まもなく始めてまるっと一年になろうとしています。
ですが、ログインユーザーの数が随分減って、つながっていた「フレンド」もほとんどが「引退」という状態になり、面白みがなくなってしまいました。
このゲームはベースがプレイヤー対戦型の戦闘ものです。組織を作ってチームで対抗するものなので、人が減る=対戦相手が減る なのですよね。
対戦相手が弱すぎたり
対戦相手が強すぎたり
こういうのもやる気を失う要素になりがちですが、
そもそも「相手がいない」のはもうお話になりません。
その時に、私は思ったのですよね。
ああ、敵がいたって、素晴らしいことだったな。
いやーもう、この敵がね、なかなかいやらしい作戦をたててくる相手だったんです。
大戦前にこちらの参加メンバーを個人攻撃して事前に戦闘力を下げに来たり、スパイを組織に入れて仲間の信頼関係を崩しにかかったり、
ひええええってことをけっこうやる。^^;
それで人間関係がごちゃついたり、いつも狙われる子が気にしすぎて病んじゃったりなんてことも起きたのです。
「この人だけはさっさと引退して欲しいな」
「このチームだけは許しがたい、消えてほしい」なんて思ったこともありました。
「この人たちがいるとゲームを純粋に楽しめない!」なんて声もあちこちで聞きましたし、私も同感でした。
ところが今、その人たちがいないのですよ。
「もっと面白いゲームがあるから、そっちいこう!」という呼びかけがあり、のっかった人たちが一斉に引退してしまったのです。
するとね、大戦の日も、戦う相手がいないのです。
倒すべき相手も、守るべき仲間もいない。
なのに、自分は強い。自分の育成したキャラも強い。
同じ組織でまだ残っているフレンドも同じように強い。
その強さを発揮する相手がいない。
これは、つまらないです。
この時にものすごーーーくなつかしく感じてしまったのです。
ボロボロにやられて密かに闘志を燃やした日のこと。
どうあっても攻略できず頭を悩ませた日のこと。
人が、ちょっとめんどくさいなと思った日のこと。
遊びなのにごちゃごちゃ騒ぎがあって、ああ、やっかい、だるいしんどー!!!と思った日のこと。
あれは、何も起きない今の世界よりずっとずっとたのしい時間だった。
負け続けた後に、ある日、相手を倒しみんなで大喜びしたこともあった。チームで結束し強化タイムを設けたり・・・。
お互いの誕生日をゲーム内でお祝いしたりもあったなぁ・・・。
あそこまでみんなの気持ちがぐっとまとまったのは、うっとうしい嫌な強い敵がいたからこそだったのでは?
あの敵は私たちの楽しみを作る要素の重要なひとつでした。
その目で現実の生活を見てみると、嫌なことがら、めんどうな人、というのはまあ、それなりに存在します。
「これがなかったらなあ」と思う私に、ゲーム世界で「敵を失った私」が言うのです。
その人たちは宝だと。
その問題は宝だと。
そして、今、思っているのです。
敵(解決すべき問題)はたのしい人生に必須だと。
ただ、敵は選びたい。笑
そうね。
より質の高い敵(問題)を抱えることが人生のゲームをおもしろくすることなんだよね。