中学時代の恋愛エピソード
中学校生活は部活動のサッカーに夢中だったが、1年の秋、僕には好きな女の子ができた。
彼女の名前は「若菜」バスケットボール部所属で明るくて元気で誰からも好かれるクラスのマドンナ的存在だ。そんな彼女をいつも遠くから見つめることしかできなかった。
そんなある日、席替えという一大イベントによって一筋の光が差し込む。
厳正なくじの結果、なんと若菜の隣になったのだ。
それからというもの必然的に会話の機会が増え、一緒に過ごせる時間が毎日楽しくて仕方なかった。「大好き」とか「可愛いな」そんな感情で頭がいっぱいだった。
ある日、歴史の授業中に若菜が「教科書を忘れたので見せて欲しい」と机をくっつけた。
距離が近すぎてドキドキしかしない。
少しすると若菜が僕の教科書に文章を書き始めた。
「やっほー!元気?」と授業中に2人だけのテキストコミュニケーションが始まった。
若菜「好きな人とかおらんの?」
龍也「えっ」
若菜「ん?」
龍也「お前!」
若菜「は?」
龍也「若菜が好きなんだよね!付き合ってください!」
2人でこんな内容を歴史の教科書の隙間に書いていった。
これが僕の人生で最初の告白。はっきり口で言えなかった。だけどあんなに熱量を込めて文字を書いたこと他には無いし、今でも鮮明に覚えている。
突然の出来事で、付き合うっていっても具体的に何をすればいいのかよくわからないし、この気持ちをちゃんと伝えなきゃなという謎の責任感だったと思う。あとは大好きすぎてドキドキしている感情から早く解放されたかった。
授業後、若菜に呼び出された。
彼女の口からは一言
「ごめん」
それだけだった。
直後に若菜の親友の智子から「頑張ったじゃん!」と労いの一言が。付き合えないけど伝えてくれたことはすごい嬉しかったと間接的に聞かされた。
これが僕の青春。のちに親友の智子と距離が近づいて結婚しました。なんてドラマチックな展開はもちろんない。
だがそれがいい
終