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カンパーニュを紐解く-2【フランス田舎でのパンとの暮らし】

前回の記事では、「カンパーニュ」という名前の由来や形に隠された工夫について、ご紹介しましたね!
今回はさらに深掘りして、カンパーニュが生まれたフランスの田舎でのパンの文化や、当時の暮らしとの関わりを見ていきます。どんな環境や工夫の中で、この素朴なパンが育まれてきたのでしょうか?


フランス田舎でのパン文化

カンパーニュが焼かれていたのは、フランスの農村地帯。
ここではパンが毎日の食卓に欠かせない主食でした。

でも、パンを焼くのは毎日ではなくて「週に一度」が基本!

その理由は、大きな薪窯を持つ家庭が少なかったから。
その代わり、村には「公共のパン焼き窯(four banal)」があり、そこにパン生地をみんなで持ち寄って、一緒に焼いていたんだとか。
これには薪の節約や、窯の管理を村全体で分担する意味もありました。カンパーニュは大きくて長持ちするから、1回のパン焼きで数日分をまかなうのにぴったり!


パン焼きの日

週に一度のパン焼きの日は、村のちょっとした「イベント」!
村の女性たちが家族の分のパン生地をこねて窯に持って行き、順番に焼き上げます。
これが村人たちの交流の場ともなり、村の人たちで情報交換がされていたそう。

また、窯の温度管理が重要だったため、パンの形や焼き方にも工夫が必要。
丸くて分厚いカンパーニュは、こうした制約にも最適だったんです。
さらに、村ごとに微妙に配合が違うので、隣の村のパンを交換して楽しむこともあったとか。


地域ごとの違い

フランス全土で焼かれていたカンパーニュですが、地方ごとに使う材料や食べ方もいろいろ。例えば南フランスではオリーブオイルがよく使われ、北部ではバターやクリームが入ることもあったそうです。

こうした違いは、各地の気候や農産物の特徴を反映しており、フランスの豊かな食文化を象徴しています。
それぞれの土地の特色がパンに表れているのって素敵でおもしろいですよね!


次回は、現代のフランスや他の国で愛されているカンパーニュの食べ方や、アレンジバージョンをご紹介します!

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