【新・東カレデート】dine編：31人目:エンタメさん/自分の理想が自分を幸せにしてくれるとは限らない。

ある日dineでリクエストをくれたその人は53歳。

婚活・パートナー目的でアプリをやっているのでこの年齢は一瞬でハネちゃうところなんだけど、この人はプロフィールが実に魅力的だった。

独特の経歴なので詳しくはかけないけど、一言でいえば「エンターテイナー」。いろいろと話を聞いてみたい。迷ったけど、リクエストを承認することにした。以下、彼の事はエンタメさんとします。

＜データ＞
■職業：経営者
■年齢：50代前半
■年収：1500万～

すぐに日程の調整メッセージがきた。

リクエストしたお店でもいいけど、ほかでも良いなら色々とありますよ、とお店の紹介文と共に5～6個のＵＲＬが送られてきたのでその中のひとつをリクエスト。彼が個人的に予約してくれてdine選定以外のお店で会う事になった。

当日、エンタメさんの背中を発見して（お店が貸し切り状態だったのですぐにわかった）
「こんばんわ～！お待たせしました！」と声をかけると、
「おお！こんばんわ～！」と明るい声で振り向いていてくれた。

この一瞬の挨拶だけで今日は楽しい時間になりそうだなと予感した。
第一声って、頭で考える以上に無意識にハートに響いてるような気がする。

写真よりも肌が綺麗で若々しかった。とくに口元（歯）がきれいで清潔感もバッチリ。こういうところは男女問わず見習いたいところだなぁと思った。

乾杯してメニューを選ぶ際「僕は飲むとほとんど食べないんだけど、食べたいなら遠慮しないで好きなものを頼んでね、ここは美味しいから。」と言われた。こういう、「好きにしてね」って言葉を添えてくれる男性って女子は大好きだと思う＾＾その一言でふわっとテンションがあがるんだよね。
相手を心地よくさせる言葉を自然に言えるところはさすが大人だなと思ったし安心感があった。
それに、ゆるしてくれるからこそ、あれもこれもそれもではなく本当のお気に入りを選ぼうと思えるんだよね。
結局この日はマスターのおすすめから3品ほど選んで料理を待つことにした。

まずは興味のあったエンタメさんのお仕事の話から。業界に詳しくはないけどするするっと頭に入ってくる話し方、抑揚。「それ、すっごく面白そうですね！」と他人をわくわくさせる内容だった。
エンタメさんの軽快なトークにつられてこちらもどんどん自分の話ができた。相手の話を引き出すのが上手な人って、受け答えが的確で言葉のセンスがあるんだろうなって思った。何をどう、とここで文章で説明するのは難しいんだけど(笑)

こういう言葉のチョイスや話のセンスって、その人の人生観（どんなレンズで自分の身の回りの出来事を見ているか）によるのかなぁ、なんて思った。私も、誰かの心をウキウキさせるようなトークができるようになりたいな。

アプリデートではお決まりの「このアプリはいつから？」「何人と会いました？」の話になった時、エンタメさんは

エンタメ「実は来月早々仕事で海外に行くことになっていて、もう数年はこっちに帰ってこれないからその前に素敵なパートナーがいればと思って3か月前にdineに登録して恋活してたんだけど・・・なかなかマッチングしないんだよね～(;´Д｀)snackdineで出会った子でいいなと思った子がいたんだけど、僕の事は恋人として見られないと言われたし…。」

夏緒「結婚ではなく、恋活？」

エンタメ「そうだね。僕は2回結婚してるから、もう僕から結婚してほしいとはさすがに言いづらいからさ(笑)でも相手が望むなら、やぶさかではないよ～って感じ(笑)」

「遊びにきてくれるなら海外に来る費用くらい僕が出すよって思うんだけど、なかなかそんな人がいなくて（泣）」

と言っていた。

私は、

もっと早くこの人と出会いたかったなぁと思った。

この人だったら今の仕事も慣れた住まいも友達も全部一新するつもりでそっちに飛び込めるんじゃないかと思った。そんな、想像もできない自分を見てみたいとも思った。

年齢も離婚歴もすべて超えて。むしろそんなことどうでもいいとさえ思った。

彼が日本を経つ予定の日まで2週間程度。私の方もあいにく予定が詰まっていたし、今回のデートの日程がエンタメさんから来た時にほとんど後半は空いていない雰囲気はあったので絶望的に時間がなかった。

それでも「また会いたいです！」とLINEを交換し、「もちろん！予定を調整してまた連絡するね」と言われたまま、音沙汰はなかった。

久しぶりの「恋」みたいな感情が自分で嬉しかった半面、
ここに必ず私の幸せはあると探しつづけて来た範疇からかなり逸脱した「条件」のはざまで、すごく複雑な気分だった。