【時の狭間で】第2章『時間のループ』
第2章:時間のループ
数日後、真希はふと目を開けると現代に戻っていた。不思議な力がまた発動し、放課後に再び大正時代へ飛ばされる。
「タイムループか...」と真希はつぶやく。その後、意思で現代と大正時代を行き来できることに気づく。
真希は試しに、美帆子が転倒しそうになるところを助ける。すると現代に戻った後、美帆子の子孫が有名な政治家になっている記事を見つける。記事には「福田家は代々政界で活躍しており、美帆子の政治参画がその始まりだった」と書かれている。真希は歴史が変わったことを実感し、自分の力で過去を変え、未来を作り変えられることを知るのであった。
一方で、美帆子の運命を変えたことへの不安も大きくなる。もしかしたら、美帆子が政治家になった代償として、誰かの人生が狂ってしまったのではないか。美帆子の子孫だったはずの人が、政界に入れなくなったことで辛い思いをしたのかもしれない。時間を操る力には、計り知れない影響と結果がついて回ることを真希は思い知らされる。
真希は翌日、美帆子に「将来の夢は政治家?」と尋ねてみる。すると美帆子は笑って「いえ、私は画家を目指しているの。政治なんて興味ないわ」と答えた。真希は安堵する。時間を変えたことで、美帆子の望んでいない人生を押し付けていたのかもしれない、と後怖けしたのだ。自分の力の行使には、倫理的ジレンマがつきまとうことを知るのだった。
第3章:失われた時間に続く…