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今週のMornin#1

はじめに

こちらの記事はあくまで自分が撮った写真に対する個人の感想になります。世界のどこかに存在する写真の鑑賞の仕方・楽しみ方の一例になります。世界のどこかで写真趣味を楽しむ皆様方の、より良い写真ライフの一助となりますよう。なんとなく「いいね」から、ここが「いいね」になりますと幸いです。

写真趣味の楽しみ方とは

昨今、写真もといカメラが身近になっている。
なぜならば、携帯電話やスマートフォン、そのカメラが生活の一部となり身近になったことが大きく、少し遡ればフィルム写真からデジタルカメラになることで手軽さの進化があったこと、家族で手軽に写真を撮るという文化の現れ(写ルンです等)、現代のSNSでの写真文化の広がり・発達によるところが大きいように思う。

これ自体は自分の写真技術の研鑽のためにも、写真をよりよく楽しみたい皆々様の助けに、もしくは何か趣味が欲しい人への「写真」という提案のために、つらつらと文章を綴っていきたいと思う。
おそらく、長い文章になることが予想できるため、一緒に写真を見ながら自分がどう思い、どう感じ、どこに意図があり、どこに反省があり表現をしているのかをなるべく読みやすく言語化していくことにする。

どうかよしなに、お暇な時にお読みください。

今週のMornin

1枚ずつ全てを紹介したいところだが、なるべく自分も続けやすく、また読む負荷を下げるために、毎朝7時ごろに投稿している「Mornin」の中で特に思い入れがある写真を紹介していこうと思う。

今週のMorninはこちら。

新宿御苑/バラ園

2023/5/21投稿のMorninで、初回なので一番インプレッションをいただけた写真を紹介する。

さて、なにが「いいね」なのか

これに関しては冒頭注釈通り、自分の解釈が第一であり、感想は個人差があることを了承していただきたい。

実は失敗写真とも捉えられる写真である。

なぜかというと、下半分の暗い部分の情報があまりに欠如しているからだ。
写真はあくまで記録で、情報で、それゆえに言語に近く、つまり見ている対象に「なにか」を伝えるものであると覚悟の上で写真を撮っている。

基本的にはその「なにか」は、撮影者の意図が大きく関わるように思う。
なにを見せたくて、どこを見て欲しくて、なにを感じて欲しいのか。簡単に思うに、撮影者の思う「素晴らしさ」を写真で伝えているということだと思う。これを一つ前提に考えてほしい。
そう考えると今週のMornin↑は「失敗写真」の要素も多く含んでいる。ただ、おそらくそれが悪いわけではなく、失敗の要素を含んでいるだけで、伝えたいことが伝わる人に適度に伝わり、なんとなく自分の思う素晴らしさが伝われば、良し悪し以前に本望であるというところだ。

どこが失敗なのか?

前述の通り、下半分が暗すぎる。

下半分が暗すぎる。

ただ、かろうじて植物だろうというところだけは伝わる。

上下で分けたときの下半分があまりに暗いのだ。
写真にとって、明るい/暗いというのは、情報量の開示と制限に近いと思う。
つまり、客観的には暗い=情報量が少ない=失敗。と捉えてもいいところだが、暗い=あまり気にしなくてもいい情報=別のところに視線を誘導できる、という道具として使っている。
一応、明るく調整した写真も用意したが、ただバラの茎と葉という情報である。

たくさん葉っぱがありますね。

上半分はどうなっている?


上半分はこちら。

曇り空とお花の頭。

実は上下で分ける単体で見るとちょっとよくわからないのだ。

奥になんとなく人工物(ビル?)のてっぺんが見えるようだが、あまり意図はない。つまり写真に写っているそれぞれの被写体そのものが素晴らしいと思って撮っている写真ではないということになる。

つまり、なにを見せたかった?

次の段階として、写真を見る時にだけある、個人的に大事だが他人に伝えにくい感覚がある。
写真のここが「気持ちがいい」という感覚だ。
この写真には、自分が思うに「気持ちがいい」場所がある。
実を言えば、上下で明るい/暗いがあるその境界そのものと、中央一点にある一輪の薔薇の花が見せたいところであった。

ただ、ここだけ切り取っても、意外と成り立たない

なぜ、わざわざあの構図にしたのか

全ては情報量の調整にある。

改めてこちら。

見せたいところを切り取った上の構図では、前述の人工物の頭があまりに違和感がある。そして、背景・空の曇りの部分が不十分で、分離(薔薇の輪郭がはっきり見えること)はできているものの、なんとなく窮屈な印象がある。そのため、大胆に後ろに引いて、大きく上下2分割にし、まず境目に目線がいくように構図を調整している。下半分は正直ほぼ情報がない、代わりに中心より上半分に目線が行きやすくなっている。加えて、空の情報も十分取っている。曇り空という情報と、その中でも切れ目のように分厚い雲と薄い雲で白く映る部分、その白い部分を見せたい薔薇の花に乗せることで、見せ過ぎないようにしつつ、上下の境界全体、特に中央一点に最終的な目が行くようにしている。
写真の見る上での情報はそういう感じである。

おまけ

EXIF(Exchangeable image file format)情報を見直すと、技術面の反省ができる。撮影時のカメラ設定や条件情報の記録にあたる。
機材
FUJIFILM X-Pro3 +XF23mm F2.0 R WR(35mm判換算35mm)
絞り優先モード、トリミングなし。
SS 1/7000 
F/5.0 
ISO/320
-1.3EV
↑からわかることも多く、反省に繋がる。
SS…もう少し遅くして良い
F…もう少し絞っていい
ISO…もう少し下げてもいい
EV…下半分を暗くしたかったから下げた結果、妥当
大反省である。

まとめ

あくまで一例であるので悪しからず。
撮影している時の気持ちと完全に100%一致していると断言できないが、写真を見返すと思えるところを最大限表現すると上記になる。
ただ、これが正解ではない。楽しみ方など十人十色である。自由に感想を持つのがいいと思う。ただ、なんとなく「いいね」から、ここが「いいね」に思える要素や理由があると、普段生活して、いつも見ている世界の見る目が少し変わっていったり、自分の素晴らしいと思う瞬間を残すことの儚さが伝えられるような気がしたり、少しだけ人生が豊かになると思う。そう思える人が増えるのは自分にとってはかなり何よりだ。

これが不定期投稿になるのか毎週投稿になるかは確約できないが、
また来週のMorninで会いましょう。



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冬湖
夏はアイス、秋は焼き芋、冬はおでん、春はさくらもちを食べます