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「聞く」2023年11月9日の日記
・地元の中国茶屋さんのワークショップなのだった。
・ということをここ数日間完っ全に忘れており、顔を真っ青にして30分遅れで参加した。10分で支度し10分で会場に向かった。会場近くてよかった。
・全部で5種類のお茶を飲む。緑茶、白茶、烏龍茶、紅茶、烏龍茶。遅刻したけど最初のお茶も飲めてよかった。
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・2番目に飲んだ「単芽 月光白」という白茶は椿の花の香りがした。飲みながら「すごく嗅いだことある匂いなんだが…なんだっけ…」と記憶をたどると、椿の花びら染めにたどり着いた。椿の花はほんとに甘い華やかな香りがして、いつかこんな味の何かを口にしてみたいと思ったものだが、まさかこんなに早く君に出会えるとは。
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・3番目に飲んだ「阿里山高山茶」はいわゆる台湾烏龍茶の1品種。
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・こういう、細長い器(左)と普通の茶碗が用意された。細長い方は「聞香杯」と言う。聞香杯から茶碗(飲杯)にお茶を移し、聞香杯に残ったお茶の香りを「聞く」。最初は馴染んだ台湾烏龍茶の爽やかな香りなのだが、だんだんココナッツのような甘い香りが現れてくる。
・4番目の「正山小種」は中国の紅茶。昔は輸出のために作っていたものだが、今は内需のために作られているそう。紅茶だけどほとんど渋みがない。中国ではお茶の渋みが嫌われており、かつ紅茶であっても牛乳や砂糖を入れる習慣がないため、ストレートでも甘さを感じるお茶が好まれるということだ。
・5番目に飲んだ「鳳凰単叢鴨尿香」は広東の烏龍茶。すごい名前だ。飲み物の名前に「尿」入れるセンス。
・このお茶の香りがまたすごくて、ライチ食ってるみたいな気持ちになる。世の中にある安いライチティーだったりアップルティーだったり、「フレーバーティー」と呼ばれるものは人工的に香料をつけたものだ。そんなことをしなくとも、茶葉の力だけでこういう香りをあらしめさせることができるんだ…という衝撃を受けた。フレーバーティーはそれはそれとして美味しく飲めるタイプの人間だけど、こう、「本物」の存在を見せつけられると、戻れなくなっちゃうな…。
・今回のワークショップは市の移住・定住支援の一環みたいなやつで、店主さんも、市の担当職員さんも移住者、参加者も半分くらい移住者だった。良いところだと言って住み続けてくれているのだ。
・日記にも時々書くが、現住地、何かしらんけど活気がある。ただの地方の郊外なんである。家の周りはど田舎ではないけど、ちょっと走れば田んぼだし、都市というにはおこがましい。そんなところに新しく家が立つ。家族の職場にも移住者が多い。遠いところから「いいとこだ」っつって住みに来てくれる。
・住み続けてくれるのも嬉しいし、地元は移住者を追い出そうみたいな勢力がないんだな…ということにめちゃくちゃ安心する。見えないところで何か起こってるのかは分からないが、良いところに生まれたなと思う。
・首都圏に戻るならまた絶対土呂に住みたいと思っているが(土呂は治安も経済もいいとこ過ぎ)、しばらくはこっちにい続けても良いかなという気持ち。不便しないし。東京近いし。東京近いんですよ。東京のみんなも栃木遠いとか言うなよって思う。
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