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リトル・プリンス 栗ぼっちゃん
秋だからかな。いがの中から顔をのぞかせる栗のような、少年がいた。名付けて、栗ぼっちゃん。
会ったのは、トンプキンス・スクエア・パークの入口。存在感のあるコだなーって思って、でもお母さんは普通の感じで。許可してもらってレンズを向けた。
ちっとも動じることなく、まっすぐボクの方を見上げている。この存在感は髪型のせい?
ボクはすぐに、サン=テグジュペリの星の王子さまの「ぼっちゃん」を思い浮かべた。あの雰囲気にどこか似ている。いちずなところが。
でも、ここはサハラ砂漠ではない。
ここは、マンハッタン。
ボクの上に広がる空には、夜になっても星はほとんど見えない。だから「ぼっちゃん」の星も、見つからない。
違う違う、ああ、そうじゃなかった。「ぼっちゃん」に教えてもらったんだった。
「心で見なくちゃ、ものごとは良く見えないってことさ。肝心なことは、目には見えないんだよ」。