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ポカチェ攻略 ICMが働く環境でのパッシブにするアクションする意味合いについて

はじめに

 前回ポーカーのご褒美のタイプによるICMの影響の仕方について考えた。今回はその補足。

なんでパッシブがいいの?について考えてみた。

ゲームデザインにおける均衡

 ポカチェのルールのように報酬(ランクポイント)が直線型の場合、バブルファクターが指数型よりも大きく働く。それにより大きなポットを争うと争った人はランクポイント期待値がマイナスサムゲームなるので、見ている人が一方的に得をするという状況。

 大きなポットを争うことができないならば、相手は広くfoldすることになるのだから、どんどんbetやraiseしていくことが肯定されるのでは??

たしかにその通り!!

↑こちらの記事でもエニハンオールインマンの戦略に対してはAKsでもコールしてはいけないことを考えている。そうであれば仕掛ける側は幅広くbet(raise)するプレーが均衡となり、受ける側は幅広くfoldするプレーが均衡になるはずである。

 パッシブにプレイするべきとする記事は間違っているのではないか??
相手はcallすることがマイナスになるのだから、強くアグレッシブにプレーをして相手を下すことが肯定されるのではないか??

https://note.com/koko_3939/n/n735a87da2e61

↑パッシブにプレイするべきとまとめた記事

 仕掛ける側はたくさんbetすることが均衡となるゲームデザインになっていることを理解した上で尚、私はパッシブにプレイすることをおススメしていきたい。


均衡とパレート最適

 注目したいことは、幅広くbetを仕掛けたことに対して相手が均衡より広くcallをする間違いをしたとする。その際に得られる利益は誰にいくのかという話である。

ポカチェにおける初手オールイン

 改めてポカチェのルールにて初手オールインが入った場合のランクポイントの期待値の変化を見てみる。負けたときに-35であることに対して、勝った側は+16.33、残りの+18.67が均等に分けられて参加していない人に分配される。

 自分が均衡に近くなるような正しいアグレッシブなプレイをして、相手の間違ったcallを引き出したとする。
 その時、自分が相手の間違ったプレーを引き出したにも関わらず、利益を得るのは自分ではなく参加していないプレイヤーなのだ。
 それどころか自分は相手の間違ったプレーに引きずられて、大きく不利益を被ることになる。
 

 これは、囚人のジレンマにおける均衡とパレート最適のようなものである。
〇ポットを争っている2人 →囚人
〇ポット争っていない人  →2人が不幸になることを望む観衆

 アグレッシブにbetすることは相手が合理的に判断する場合に利益最大となる均衡戦略となる。一方で、ポットを争う2人の利益が最大化されるパレート最適にはならないのである。

まとめ

簡単にまとめると以下のようにするのが良い。

〇相手がICMについて理解している上手いプレイヤーならアグレッシブにプレーしても良い。
 均衡戦略を目指し自分の利益最大化を狙う。bet、raise、foldが良いアクションになりやすく、callは悪手になりやすい。

〇相手がICMへの理解が薄いならば、相手の間違いに引きずられて自分もマイナスになるので、パッシブにプレーするのが良い。
 callをつかって、リスクを抑え、ポットを争う2人にとってパレート最適に近いたたかいを目指す。

 相手がICMについて考慮しないプレーをするならば、パッシブにプレーする方が良いし、今のポカチェの環境はそっち方向の傾向があるよと思う。  
 このことを理解せずに均衡はアグレッシブになるはずだからとプレーすると良い成績は出にくいので気を付けたい。


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