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ポカチェ攻略 ご褒美から考えるトーナメント戦略

ポーカーではトーナメントで行う場合、その結果に応じてご褒美があることが多い。ポカチェではランクポイント、海外トーナメントでは賞金など...

あるポスト(ツイート)を見たことがきっかけで、その報酬のかたちによってタイトにするべきか、アグレッシブにするべきかの戦略が変わると思ったので備忘のために文章にしておこうと思う。

前回のnote
https://note.com/koko_3939/n/n23ebcc8829d1

例によってICMの考え方を採用する。
ICMの計算は以下の動画を参考にした。
(333) ICM~ポカチェのランク戦で勝つための必須知識~【ポーカー講座】【PokerChase】 - YouTube

トーナメントにおけるご褒美は以下のようなタイプがある

①1位総取り型
②指数型
③直線型
④権利型

①1位総取り型


 ご褒美を1位が総取りするタイプ、例えば大会優勝者の称号だけがかかっているトーナメントや1位が大会の参加権利を得る場合が該当する。

1位総取り型イメージ

②指数型


 本当に指数関数になっているかはわからないが、順位が上がると後半一気にご褒美が増えていくタイプ。通常のトーナメントはだいたいこれ

指数型イメージ

③直型線


 ポカチェのランクマッチのタイプ、ポカチェ以外ではみたことない

直型線イメージ

④権利獲得型


 〇位以内だと〇〇大会の参加権利がもらえるなどのかたち
 ex:2位以内だと月末の店舗の大会にでられる権利がもらえる場合
 

権利獲得型イメージ


バブルファクターの影響の実例


それぞれのご褒美の体系をランク戦形式に落とし込むと、全員が同じランクポイントを持っていることとして、ランク戦に参加するために35ポイントのランクポイントを支払う。それぞれのルールに応じたランクポイントが支払われるというルールで考える。

①1位総取り型


 ポカチェのルールに落とし込むと、全員が参加するためにランクポイント35を支払い、1位は210ポイントもらえるというルールだった場合 (35x6=210)
「チップEV」=「ランクポイントEV」となる。なのでポカチェが5位や6位を避けるゲームではなく、1位を目指すゲームとなる。この場合バブルファクターは全く働かない。

1位総取り型 初手オールイン

この表はブラインドとアンティを無視して、ある2人がオールイン勝負をして、1人がスタック+30,000、もう1人が敗退となった場合を表している。

プレイ前後のスタック量とランクポイント期待値の変化量を表している。
1stのスタックが倍となり6thの人のスタック量が0となっている。

純粋に勝者のスタックが2倍になったことでランクポイントの期待値が2倍になっている。

②指数型


 仮にポカチェのランクポイントが以下のようだった場合はどうだろうか
1位 105ポイント
2位 60ポイント
3位 30ポイント
4位 10ポイント
5位 5ポイント
6位 0ポイント
ブラインドやアンティを無視して、誰かが初手オールインに誰かがコールして勝敗がついたときの変化量は以下のようになる。

指数型 初手オールイン

オールインの勝者に23.67ポイント、参加していない人に各2.83ポイント、負けた人は-35ポイントとなっている。

③直線型


 ポカチェのルールにて、初手オールインが入った場合
 誰かが初手オールインに誰かがコールして勝敗がついたときの変化量は以下のようになる。

直線型 初手オールイン

勝った人はランクポイント期待値+16.33に対して負けた人は-35、参加していない人は各+4.67となっており、負けた人の-35の期待値の半分以上が見ている人たちに入っていることを意味する。つまり争う二人が多大なリスクを追い、見ている人たちがリスクなしで利益を得ているということになる。指数型よりも見ている人たちへの配分が大きく、オールイン対決へは参加しない方が得することがわかる。

④権利獲得型


 以下の2つのルールだった場合の事例で同様にオールインコールの期待値の変化を考える
 a,ポカチェが6位~4位は0ポイント、3位~1位は70ポイントもらえる場合
    b,ポカチェが6位は0ポイント5位~1位は42ポイントもらえる場合


権利獲得型 aパターン
権利獲得型 bパターン

権利獲得型で意識したいことは権利獲得まがどのくらいの人数かによって配分が変わってくるという点である。特に権利が決まる直前ではパッシブにプレイすることが肯定される。

まとめ

 ポカチェのルールではご褒美が直線型のゲームデザインとなっているため、バブルファクターが働かないトーナメント序盤や、通常のご褒美指数型トーナメントのファイナルテーブルよりも生き残る価値が高く、よりパッシブにプレイすることが肯定される。
 トーナメントはそのご褒美の体系により、「チップEV」と「ご褒美EV」の乖離が発生する。あくまでポカチェでは「ランクポイントEV」を争っていることに着目する必要がある。得たチップのプラスと失ったチップのマイナスは決して、同価値ではないのだ。
今はどのルールで戦っているのかを正しく理解して立ち回ることでより良い成績が期待できる。


あとがき

 あらためてこうして考えてみるとゲームデザインとしては「チップEV」=「ご褒美EV」となるのが公平性という観点で理想だけど、それではほとんどの人が勝てず楽しくない。
 だから通常のトーナメントは公平性をそこそこ保ちつつ、それなりに良い成績を出した人に広くご褒美を与えるために指数型のデザインになっているんだろうなぁと思った。
 良い考えだと思うけど、それがゆえに牛歩の問題なんかもでているわけで…ゲームデザインって難しいなぁと思いました。

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