ICMを考えたポカチェランク戦の最序盤戦略
間違っていたら優しく指摘してくれるとうれしいです。
ポーカーチェイスのランク戦を題材にICMを考えた上での序盤の戦略を考えてみる。
結論
○序盤は大きな勝負をしない方が良い
○初手anyハンオールインを受けられるのは９以上のポケットのみ
ランク戦では全員が同じランクポイントを持っていることとして、ランク戦に参加するために35ポイントのランクポイントを支払う。
順位に応じて1位70ポイント、2位56ポイント、3位42ポイント、4位28ポイント、5位14ポイントを得るものとして考える。
初期スタックは30000でのランク戦を想定する
ICMの計算は以下の動画を参考にしました。
(333) ICM～ポカチェのランク戦で勝つための必須知識～【ポーカー講座】【PokerChase】 - YouTube
ポーカーチェイスのランク戦をやっていると初手オールインは悪い戦略であることはなんとなく知っている。でも具体的にどのくらい悪い戦略であるかはイマイチわからない。
ICMの考え方から下の表のような計算をしてみた。
この表はブラインドとアンティを無視して、ある２人がオールイン勝負をして、１人がスタック+30,000、もう１人が敗退となった場合を表している。
プレイ前後のスタック量とランクポイント期待値の変化量をを表している。
1stのスタックが倍となり6thの人のスタック量が0となっている。
この場合、スタックが倍になった人はランクポイントの期待値が+16.33となり、敗退した人は-35、プレイに参加しなかった人は+4.67となっている。
オールイン勝負に勝ったとき＋16.33のランクポイント期待値増加であることに対して、負けると-35となり大きな勝負にでること自体が不利益であることがわかる。
初手オールインに対して、ランクポイントの期待値変化量をプラスにするためには68.18%の勝率が必要となってしまうのである。anyハンドに対してAKsは勝率65.56％であるため、初手anyハンドオールインを受けるのにAKsは弱すぎるのである。
anyハンドに対して勝率を実現するためには9以上のポケットペアが必要だが、anyハンドでオールインしているかを判別する手段がないため、やはりランク戦での初手オールインは受けるべきではない。
全てのハンドを連続でオールインしてくる相手には、誰かがしびれをきらしてコールするのをじっと耐える戦略が正当化される。
このようにポーカーチェイスでは分散の高い戦いをするとそれだけで、ランクポイント期待値マイナスになることを理解した上で立ち回る必要がある。
では、どの程度までの戦いならば序盤にしてよいのかを20000点、10000点、2000点の勝負をした場合で考える。
20000点の戦いをすると上表の通り、勝ったときランクポイント期待値は+11.67であり、負けた時は-18.67、必要期待勝率は61.54%である。
勝率61.54%の勝負もポストプロップ以降でかなりのエッジを出せないと難しい。
10000点の戦いをすると上表の通り、勝ったときランクポイント期待値は+6.33であり、負けた時は-7.93、必要期待勝率は55.61%である。
基本的には厳しいが、場合によっては受けても良い勝率になる。
2000点の戦いをすると上表の通り、勝ったときランクポイント期待値は+1.37であり、負けた時は-1.43、必要期待勝率は51.07%である。ここまでくれば、ブラインドやアンティを考慮したときに十分プラスにすることが可能である。
ここまでをまとめると上の表のようになる。勝負したスタックの量とそれによって勝った時と負けた時のランクポイント期待の増減。参加しなかった人の増減。参加のための必要勝率。負けた人が失ったランクポイント期待値に対して、それを勝った人と参加していない人に分配すると考えた時の勝った人へのランクポイント期待値の取り分。
大きな勝負をすると参加していない人たちへのランクポイントの分配分が多くなることが読み取れる。特にオールイン対決に勝っても、負けた人のランクポイント期待値の半分も勝った人に入らないのである。
序盤は大きな勝負をしないことが、ランク戦のコツになる。
あとがき
各プレイヤーのスタック量がバラついたときに必要勝率50％以下にできる勝負もあるのでそれについても今後考察してみたい。
自分はGTOを見たり計算したりするツールを何も持っていないが、一般的にはGTOはスタック量の増減を対象にしていると思う。そのため、それをそのままポカチェのランク戦に適用すると、上位の人たちに対して勝てないのではないかと思う。
自分はGTOうんぬんについては完全に未学習だが、ポカチェのランク戦はかなり特殊であることを認識すればそこそこ戦えるようになるのではないかと思う。