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インクルーシブ遊具と障害児育児中の公園の思い出、親が付き添わない学校遠足

「僕は、公園でよろこぶ年齢じゃないし」
と言われつつも、車椅子の息子(8歳)をインクルーシブ遊具で遊べる場所へ連れて行きました。

インクルーシブ遊具とは、
「身体に障害のある子もない子も一緒になって遊ぶことのできる遊具のことです」(出典:豊島区公園緑地課公園管理グループ)

車椅子の息子を連れて行ったのは、インクルーシブ遊具のなかでも、「車椅子からひとりで乗り移ることができる遊具」というものでして。
期間限定ではあったんですが、家から行ける距離の公園に設置してあると聞いて、出かけてきました。

車椅子の息子(8歳)の反応としては、
「僕はもう、公園ではしゃぐ年齢じゃないし」という冷めたものでして。

で、実際に公園に着いても、すぐに遊具に駆け寄っていく娘(6歳)とは違って。
ひととおり遊具を見回したうえで、やれやれっていう感じで、のろのろと遊具に近寄って行くという様子でした。

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それでも、車椅子の息子は、インクルーシブ遊具を試し試し遊んでいるうちに、楽しくなったのか、どんどん遊んでいました。

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行った先の公園にあるインクルーシブ遊具は、「車椅子からひとりで乗り移ることができる遊具」の名の通り。
車椅子からひとりで乗り移れるように設計がしてあって、介助なしで、車椅子の子供が遊べるようになっていたんですよ。

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こういう「車椅子のための」商品って、いまいち不便なものもあるんですが、ここの遊具は、息子の車椅子にはちょうどよくて、親の介助なしでひとりで遊んでいました。

なので、その様子を見ていた私は、
「インクルーシブ遊具くんには、もっと早く、4~5年前に会いたかったよ」と声をかけたくなりました。

というのも、

私が、車椅子の息子をあまり公園へ連れて行かなかったから。

車椅子の子供が、公園においてある普通の遊具で遊ぶとなると、どうしても、親の介助が必要です。

すべり台で遊ぶときは、親が抱っこして、すべり台の階段のところに乗っけて。
自力で立てない息子を支えながら一緒に階段を登り、すべり台も一緒にすべる。

それを、1回、2回、3回ではすまなくて、10回、20回と続けると親はぐったり。

だけではなく、まだ体の小さい1歳くらいなら「しょうがないよ、今だけだ」と力を振り絞ることもできるんですが。

体が大きくなった5歳、6歳になっても、1歳の時と同じ介助が必要で。
「体が大きくなってきても、1歳児と同じ介助が必要だなんて、かんべんしてくれー」となってました。

なので、車椅子の息子をだんだんと公園に連れて行かなくなり、まあ引きこもりですよね。

でも、「子供を公園に連れて行かないなんて」という後ろめたさもすごくあって。
「いいもん、車椅子の息子は毎週リハビリに行って、(30分だけ)運動してるからいいもん」と言い訳してました。

だから、息子が小さいときに、インクルーシブ遊具に出会っていたなら。
後ろめたさも感じずに、誰にも言い訳をすることなく、気を楽にして、車椅子の息子を公園に連れて行けてたのですが。

当時は、インクルーシブ遊具なんて存在も知らず。

だからこそ、「インクルーシブ遊具くんには、もっと早く出会いたかったよ」と声をかけてみました。


話が変わって、公園で、子供を見ずに、スマホをずっとみてるお父さんお母さんってよくいるじゃないですか。

私は、その人たちがものすごくうらやましかったんですよね。

なにしろ、私は、公園では車椅子の息子の介助が必須なので、スマホをいじる余裕もない。

同じ公園にいて、私は必死に障害児の介護に明け暮れているのに、数メートル先の健常児を育てているお母さんお父さんは、スマホを見て楽をしているように見える。

ものすごくうらやましかったんですね。

だから、時々、「今どきのパパママは、育児中にスマホばかり見てる」と感想を述べる人がいますが。

その人たちは私と同じように、スマホを見る余裕もなく、髪振り乱して育児をしていたので、スマホ見ながら育児がうらやましかったんだなと思わずにはいられないです。

またまた話は変わりまして。
先日、車椅子の息子が小学校の遠足にいってきまして。
小学校3年生にして、はじめて親の補助なしで、全工程が先生だけの介助による遠足に行ってきました。

車椅子の息子の遠足は、1年生のときも、2年生のときも、親が部分的に付き添っていました。

1年生の時は、ハイキングの目的地の公園に、車椅子の息子だけ現地集合・現地解散してまして、ハイキングは全カットでした。

2年生の時は、電車移動だったので、みんなが電車で行く部分は、親が車でつれていきました。(目的地駅のバリアフリー問題の関係で)

で、いま小学校3年生になり、バスに乗って、工場見学とぶどう狩りに行ったのですが。

遠足で、はじめて親の付き添いが不要でした。

遠足のなかに、ぶどう狩りがあったのですが。

ぶどう狩りといえば畑だらけで、バリアフリーとは程遠いイメージで、一体どうやって、でこぼこ道の畑の中を車椅子で歩いたのか分からないのですが。(息子に聞いても要領を得ない)

無事に帰ってきたので、たぶん、なんとかなったんでしょう。


で、今回の遠足で、事前に親の付き添いが必要なのかどうか、先生から確認があったのですが。

先生から聞かれたのは、
「今度、社会科見学に行くんですけど、普通の観光バスに、ひとりで乗れますか?」

ということだけだったので。

「バスには、車椅子から降りて、ひとりで乗れますよ」
と、かるーく答えたんですが。

それが、遠足に親の付き添いが必要か、必要じゃないかの確認だったようです。(分かりにくい)

なんにしても、「車椅子の息子も、みんなと同じように遠足に連れて行こう」、という先生たちの努力のおかげで、親が登場することのない遠足が実現しました。

このあたりは学校によっても様々だと思いますが、車椅子の息子の学校生活は、車椅子が特別視されない方向には向かっている気がする。

まあ1歩進んで2歩下がったりですが。

遠足では1歩進めた気がします。

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