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車椅子の息子の運動会で思うこと/車椅子のきみはいつも一番うしろに並んでいるんだね。このまま誰かの後ろに黙ってついていって、まわりに遠慮してしまう人にならないで

先日、車椅子の息子が通っている小学校で運動会がありました。

運動会と言ってもコロナ禍なので、各学年総入れ替え制の、しかも競技がダンスとかけっこしかない、時間にすると各学年15分〜20分ぐらいで終わってしまう運動会がありました。

運動会というよりも、体育発表会といった名前のほうがふさわしいかなと思います。

車椅子の息子は、他の子供達と同じようにダンスとかけっこに参加しました。

かけっこの方は距離が半分ぐらいハンディがありまして、他の子はグランド一周とかなんですが、息子の場合はグランド半周の距離でした。

スタートは他の子より半周前に進んでから位置につき、
でも最後にはほぼ全員から追い抜かれるという、息子にとってはとほほな結果でした。

ダンスの方は、去年の小学校1年生の時には、支援の先生がずっと付き添っていただいて、入場や退場はもちろん、ダンスで移動が必要なときにも先生が車椅子を押してくれたのですが、
今年の小学校2年生の時には先生の付き添いなしで動いていました。

入場から退場、ダンス中の縦に並んでいたのを輪になるとか四角になるとかの移動をすべて一人で車椅子をこいでやっていました。

先生の付き添いなしでできるなんて息子も成長したなあ、と親としては感激するばかりなのですが、
そのダンスというかその入退場の動きのなかで気になることもありました。

それは、車椅子の息子は、つねに列の一番うしろに並んでいることです。

入場する時には列の一番後ろに並ん入場し、退場する時には、あえて列の一番後ろに並び替えてから退場していました。

もちろん、車椅子が列の一番最後に並ぶというのは、子どもたちの安全のための学校側の配慮だと思います。

車椅子って、鉄なのかステンレスなのか何の金属かはわからないのですが、とにかく金属でできていて、一部はプラスチックなんかのパーツもありますが、ぶつかると結構痛いんですよね。

私も息子がわざと車椅子でぶつかってきたことがあって、痛い思いをしたので分かるんですが、手で止められるようなそこそこ緩い速度で車椅子ごと体当たりされると、傷ができてしまうぐらい痛いんです。
これを思うと、車椅子でぶつかり合う車椅子バスケットボールなんかはどれだけ痛いんだよと思うのですが、、

話がそれてしまいましたが、車椅子の息子がつねに一番後ろでなくてもいいんじゃない?と思います。

例えば、一番前。もちろん、真ん中でも。
歩ける子供は各自注意しながら、車椅子とはちょっと距離をとって歩くという形でもいいんじゃないと思います。

一番後ろだと、これからも常に一番うしろだと、今後息子が成長してどこかでリーダーシップを取ろうとした時に、どうしても「ぼくは誰かの一番うしろ」意識が働いてしまって自分の意見を言うのに遠慮してしまいそう。

今のところ息子は、自分の自主性を発揮して、みんなに「ぼくより先に行って」と声を掛けて先に行かせてから、自分はあえて最後に行くというかんじ進んでいるので、遠慮はしていないのですが、
そのうちに無意識のうちに、「一番うしろに並ぶような車椅子のぼくは遠慮しなければならない」と思うことがなければいいなと思います。

私としては、車椅子だからといって健常者の意見に従うような形に進んでほしくないです。

なぜそう思うかといえば、私が人に遠慮する追従してしまう、自分の意見が言えない人だからです。

家庭では夫に遠慮して、職場では入社した頃から先輩に遠慮して男性同期にも遠慮して、時短勤務になってからはフルタイム勤務者の先輩後輩上司の全員に遠慮して生きていました。

そうなってしまったのも、自分のなかに「職場では、年下は先輩上司の意見に従うべき」とか「時短勤務はフルタイム勤務者にお願いすべきことがたくさんあるので遠慮すべき」という同調圧力に従ってしまったり、昭和世代で育ったため「女は男に従うべき」という父親や祖父から感じた圧力というか空気に負けてしまっていたから。

これではいけないと40才になってやっと気がつき、なんとか改善しようともがいているのですが、なにしろ遠慮歴40年なのでなかなかうまくいかない。

なので、息子には、車椅子だからといって誰かの後ろに黙ってついていくような人になってほしくないのです。

車椅子の息子の運動会を見て思ったことは、きみはいつも列の一番うしろに並んでいるね、ということです。
この先も誰かの後ろに並び続けて、自主性をなくして、自分の意見が言えなくなるような、私のような人にはならないで!
ということです。

自分でリーダーシップを発揮して、あえてみんなの安全のためにいちばん後ろに並ぶというのであればよし!と思います。

息子くんがんばれ。

(追伸)
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