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薬が美味しいと言いながら飲む車椅子の息子

「もう、シャブ中なんだ
薬が美味くて美味くて仕方ないんだ
もう薬が止められないよ」

10才の息子は、薬への味覚がかなり人とズレています。
病院で処方された薬が、美味くて美味くて仕方ないらしい。

本当に薬への味覚がズレています。

我が家の10才の息子は、脊髄髄膜瘤という病気で生まれました。いわゆる重度の身体障害児です。

そのため、生後1日目から手術をしたので、息子は生後1日目から抗生剤などの薬を投与されまくって。

息子と薬とは生後1日目からの切っても切れない縁となり。 

おそらく、薬とはこれからも一生付き合う仲となっています。

ただ、幸いなことに、息子は薬を飲むのが好きでして。というか、薬に対しての味覚がかなり変わっていて、薬が大好物なんですよね。


「もう、シャブ中なんだ
薬が美味くて美味くて仕方ないんだ
もう薬が止められないよ」


と昨日も息子は言いながら、美味しそうに薬を飲んでいて。
薬がお菓子みたいに美味しいと言うんです。

なので、私も最初は。
今どきの小児薬は、美味しくなってるんだな、と思っていたんですが。

でも、娘が生まれて、娘が風邪やら、インフルエンザにかかりますので、そのたびに病院で処方された小児薬を、娘に飲ませるんですが。

娘は、
「うげーーー」
と薬を吐こうとするんですよね。

そして、娘は、薬が不味いからと言って、一口も薬を口にしようとしないんですよ。
もう本当ーーに、娘は薬をマズイと言って飲みたがらない。

で、そこではじめて私は、今どきの小児薬が美味しくできているわけではなくて、息子の薬への味覚がズレているんだと知りました。

やっぱり小児薬が美味しいわけではなくて、息子の薬への味覚が変だったんですよ。

薬を嫌がる娘の反応がごくごくふつーの子供の態度で、薬を美味しいと言って飲む息子が変なんですよ。

昨日も、ただの錠剤の薬ををいつまでもいつまでも口の中に入れて、味わいながら飲んでいて。何度も言いますが、息子が飲んでいる薬は、病院で処方された薬で、特別に美味しくしてあるものではないのですが。

薬なんかより、グミとかハイチュウとかの方が10000倍も美味しいはずなんですが。

息子は薬が大好物です。

でもまあ、息子は、薬とはこれからも一生付き合わなければならない腐れ縁ですので、嫌いになるよりも、大好きでいてくれて、とても嬉しいことなんですが。

薬を美味しいと言いながら飲む息子に、母親としては若干引きぎみです。


というわけで。
生後1日目から薬とともに生きている重度の障害児の息子は、薬への味覚がズレていて。病院で処方されたマズイ薬が、美味しく感じられるようです。

薬、美味いよ
薬が美味くて美味くて、止められないんだ
もうシャブ中なんだ

と昨日も、自分で言いながら薬を味わって飲んでいました。


もしかすると、薬への変な味覚は、薬を一生飲み続けなければならない体と引き換えに、神様から与えられた能力なのかもしれないです。

(追伸)
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