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重度障害児の子育ては、スタンダードからは大きく外れた子育てになる

昔、小学校だった頃に。
クラスに一人は、みんなとは外れた人がいたんですけど。

先生が「集合!」と声をかけても、意思を持って自分のタイミングで集合するとか。

先生が「一列に並べ!」と言っても、意思を持って一列に並ばないとか。

クラスで少し浮いてるとか、あえて自分の考えで動く人がいたんですけど。

重度障害児の子育ては、それに近いものを感じます。

我が家の息子は生まれつき歩けない状態で生まれたので、我が家は思いがけず、重度障害児の子育てをすることになりました。

重度障害児の子育てを始めて分かったことは、スタンダードからは大きく外れているので、自分で決めなくちゃならないということです。


例えばなんですが。
小児検診で「いつ首がすわりましたか」とか「おすわりできるようになったのはいつですか」とか聞かれると思うんですが。

スタンダードな子供の成長であれば。

首がすわるのは生後2〜3か月頃で、おすわりは生後6か月頃と答えられると思うのですが(個人差おおありですが)。

スタンダードから外れた障害児の成長というのは、首すわりも、おすわりも出来ているのかどうかさえ、よく分からないんですよね。

我が家の息子は、首がすわったのは生後12か月頃で。
おすわりは1歳半ごろにできるようになったのですが。

息子は、首がすわっていても、おすわりができるようになっても、体幹がなく不安定で、いつも重力に対してグラグラしていたので。

「これは、首がすわっているのか?」
「これで、おすわり完成なのか?」
とよく分からなくて。

リハビリの先生に聞いても、「うーん、首はすわってきたかな」「おすわりも出来るようになってきたかな」くらいの返答しかなくて。

でも、検診では「何か月目で首がすわりましたか?」とか「おすわりができるようになったのはいつですか?」と聞かれて答えないとめんどくさいので。

勝手な解釈で、生後12か月頃に首がすわったことにして。1歳半頃にはおすわりができたということにしています。

というふうに、すべてがスタンダードとは外れていくので、自分で決めなくちゃ行けないことが増えていくんですよね。


で、私は。昭和生まれの44歳なので。
小学校では、「普通」とか「みんなと同じ」とかスタンダードの教育を受けてきたのですが。

学校では、スタンダードな正解は教えてくれるんですけど。

「スタンダードから外れる」ことは、悪いことだと言われていたので、正解を誰も教えてくれなかったんですよね。


重度障害児の育児というのは、子育てのなかのスタンダードから大きく外れる子育てになると思うのですが。

いざ、子育てを通じてスタンダードから大きく外れてしまうと、正解を誰からも教わっていないので、よく分からないんです。

だから、自分でめちゃくちゃ考えて動かなきゃいけなくて、大変なんですよね。

例えば、小学校に入るのだって。

もし息子が健常児で生まれていたら。

私は何も考えずに、息子が6歳になったら、自動的に近所の公立小学校に入れていたのですが。

息子は重度障害児ですので。

息子を特別支援学校に通わせた方がいいのか、近所の公立小学校がいいのか、それとも隣の隣の公立小学校の方が設備面でいいのか。

さらに特別支援学級なのか、普通学級なのかを考えて決めないといけないんですよね。

受験もしないのに、公立小学校へ行かせるだけなのに、学校見学に行ったり、教育委員会の人と面談をしたりと動き、学校を選ばないといけないんですよね。

しかも何が正解なのか、正解がないので、もう大変です。

でもこういう大変なことが、スタンダードな子育てから外れるということなので、しゃーーないんですよね。


昔、小学校だった頃に。
クラスに一人は、スタンダードから外れた人がいたんですけど。

先生が「集合!」と声をかけても、意思を持って自分のタイミングで集合するとか。

先生が「一列に並べ!」と言っても、意思を持って一列に並ばないとか。

クラスで少し浮いてるとか、意思を持って外れている人がいたんですけど。

それに近い感じですよね。


というわけで、重度障害児の子育てを始めて分かったことは、スタンダードからは大きく外れているので、自分で決めなくちゃならないということです。

いざ、「みんなと違う」スタンダートとは外れた人になると、育児書は役に立たないし、前例がなかったり、何が正解なのかも分からないということに直面するんだってことに、はじめて気がつきました。

出来るなら、もうちょっと、早いうちに「普通と違う」人になったら、どのようにすればいいのか教えておいてよと思います。


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