もう二度と会いたくない
つい先日『天国からの宅配便』という小説を読んだ。
「なんでこんなことに。なんでこんなことになったの」も「もう二度と会いたくない」も、私のセリフではない。『天国からの宅配便』の中に出てくるセリフ。
9月に開催される書店でのイベントの課題本だったから手にした本。
そろそろ読んでおこうと思って手に取った。
「涙なしには読めない本」と帯にあったのに、ついうっかり電車の中で読み始めて、涙をこらえたら鼻水が出てきてしまった。
「人生の終りに誰を想い、何を遺すのか」
亡くなった人から届けられた宅配便に、残された人の心が明るくあたたかくほぐれていく。
「友人に先立たれた高齢女性に届く友人の想い」「孫を押さえつけていた祖母の本音」「幼馴染と結ばれなかった男性が知る真実」「冴えないと思っていた顧問の先生からの手紙」と4つのお話を読みながら、それぞれの言いそびれた言葉、伝えられなかった想いに涙が溢れ、自分は人生の最後に誰に何を遺したいだろう……と思いをはせた。どのストーリーも、まったく違った方角から心を揺さぶられる。天国から届く宅配便に詰められた亡くなった人からの「愛」に、生きている者残された人の固くなった心がほぐれ、きっとこのあとの人生が変わっていくと信じさせてくれる。
それと同時に、なぜそれを生きている間にちゃんと伝えなかったの?と問いかけたくなってくる。
そして、
最後のエピローグを読んで、私は固まった。
ネタバレになる部分は書けないのだけど
ここを読みながら、
わかってるわかってるわかってるてば!!!!!!!!
と、心が叫ぶのを止められなかった。
私は、2012年の5月に初めて本を出版した。
「お母さん、私、本屋さんにちゃんと並ぶような本を出したよ!」と一番に報告したかった。
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