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エッセイ【階段から真っ逆さまに落ちたけど】

酔っぱらった友人が、ビルの2階にある居酒屋の外階段を踏み外した。

彼女はとっさに、私の腕をつかんだ。そのせいで、無防備なまま真っ逆さまにアスファルトで固められた道路に叩きつけられ、その私の上に友人が落ちてきた。一緒にいた別の友人が、あわてて救急車を呼ぼうとし……。

地面に仰向けに倒れた私の上から起き上がり、ゲラゲラ笑っている酔っ払いの友人と、まったくの無傷で(打撲痕すらなく)普通に立ち上がった私の姿にギョッとした。

これはヤバいんじゃ、さすがに今回は……と(私が、あるいは近くにいた人が)思うような、この階段落下事件のようなとんでもない目に、人生で数回以上あっている。それでも、基本自分は運がいいと思って生きている。しかし、友人に言わせると、人生でこんなに何回も誰かのやらかしに巻き込まれるなんて、運が悪いとしか思えないらしい。

なにか起きるたびに痛かったり怖かったり辛かったりはするけれど、でも後から思い出して「あ!やっぱ私、運いいじゃん♪生きてるし!」となる。ネタも増えるし。

と思うと、やはり運がいいか悪いかは、自分の捉え方次第なところが大きいのだろうな。物事は解釈次第。

とはいえ、階段落下事件の時は、さすがに打ちどころが悪かったら最悪死んでいたと思う。かなりの高さから真っ逆さまに落ちたから。でもなんともなかった。だからこそ、もう少し自分を大事に生きようと思った。時間潰しの友人と飲み歩き、酔っぱらって無駄に時間を浪費するのを辞めた。同じ飲むなら相手を選び飲み方を考える。酔っぱらいの行動に巻き込まれて死んじゃってたら、運がいい悪いどころの話じゃなくなる。

「運の良さ」だけで生きていたような生活から抜け出すと決めたら、ますます運が良くなった。

あの日、階段から落ちる私の身体(命)と同時に堕落した生活からも助けてくれたのは、きっと天使だったのだ。

★エッセイのもとになった課題本

★文章執筆サロンで学んでいます

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