エッセイ【「普通」ってなによ?】
「ちびくん、一生懸命働いてくれて可愛かったよー!」
近所のコンビニで働いてるママ友にそう声をかけられてびっくりした。「え?お仕事体験でお邪魔した先ってコンビニだったの?!」
我が家の末っ子はお腹にいた頃からウルトラマイペースで、いろいろとゆっくり成長する子だった。おしゃべりしはじめたのも遅い、お友達と遊ぶ約束もできない。3,4歳の頃、発達がグレーゾーンで心配だと言われていた。普通このくらいの年齢の子がわかっているはずのことがわかっていないし、普通この年ならもっとお話しできるはずなんだけど……お母様は心配されていますか?と、能天気な私のことまで保育園で心配されていた。
そんな彼が小学1年の頃に「大きくなったらコンビニでお仕事したい」と言い出した。「コンビニで働きたいだって?」普通子どもって、もっと違う夢を見ないのか?
当時うちのすぐ近くにあるコンビニでは、上の子ども達を子育て真っ最中だった頃に仲良くなったママ友が何人も働いていた。買い物に行くと、ちびはみんなに声をかけてもらい可愛がられていた。昔商店街にお使いに行った時、店のおじちゃんおばちゃんに声をかけられたあの頃を思い出すような感じで。だから、働きたいと思うほどコンビニが好きになったのか?でもさあ、将来コンビニで働きたいですなんて、小学生は普通言わなくない?
小学2年の時、校外授業で「お仕事体験」が行われることになった。体験先リストにコンビニなんて入ってなかったはず……だったのに、うちの子をいつも可愛がってくれてたコンビニが、小学生を受け入れてくれたらしい。
コンビニの入り口でお客さんに買い物かごを渡しながら、「いらっしゃいませ。おはようございます!」と元気にご挨拶をするというお仕事をさせてもらったとか。ちびっこコンビニ店員は大好評だったと、あとでいろんな方に教えてもらった。
願えば叶うってよく言うけど、普通こんなに簡単に夢って叶わないよね?
……ていうか、「普通」ってなによ?
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