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♦︎見えない部分のこだわり♦︎
前回、完成度を上げる重要な作業として「マスキング」を取り上げましたが、今回は見えない部分のこだわりを書いてみたいと思います。
「見えない部分」とは…
お客様にはもちろん見えないので(笑)そんなに時間と労力を費やさなくてもいいのかもしれませんが、マスキングと一緒で完成度に差が出てきます。
見えない部分の作業として「下処理」があります。
例えば、お客様のご要望が「ベージュからネイビーに染め替えたい」という場合、ベージュから一気に染め替えると、お客様がご使用中何かの拍子に強くぶつけたり、擦れた時に表面の塗料が剥がれて「ベージュ」が見えてしまいます。
これではせっかく「染めた」意味がありません。
それを防ぐため、ネイビーの染料と浸透剤とでパーツの隙間の細かい部分まで「下染め」をします。
この後に本染めをしますが、下染めをしているので、本染めの塗膜は薄くても大丈夫。
革の柔らかい風合いを損ねることがありません。
下染めせずにベージュをネイビーにするため塗料をどんどん塗り重ねると、剥離やひび割れの原因になったり、革が硬くなったり…
お客様に今後も長くお使いいただくための、見えない部分のこだわりの1つです。
もう1つのこだわりは「表面処理」。
バッグ、靴、コート…新品でない限り、革の表面にはキズやスレがあります。
このキズやスレをそのままにして染めてしまうと、染めムラなどの原因になり完成度が下がるため、人工的に新しい表面を作ります(処理方法は秘密です)
この人工的な表面のおかげで、グンと完成度が上がるので、染める前には必要な作業となります。
ぶっちゃけ、「下染め」も「表面処理」もせずに染めることも可能です。が!当社では絶対そんなことはしません!
こちら、下染め(ブルーから黒への染め替え)の工程を動画にまとめてみました。
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次は何を書こうか…思案中です。
引き続き、よろしくお願いします!