🇬🇧イギリス 靴学校への留学
【靴作りへの憧れ】
リペア業界へ入る前は靴業界にいた私。
大学で教員免許までとっていたにもかかわらず、何故「靴学校」?何故「イギリス」?
当時のことを少し思い出して。
熊本から東京の大学へ進学した頃…元々ファッションが好きだった私は、90年代初頭に雑誌で「SEtt」というブランドの靴が目に留まりまりました。
「めちゃくちゃカッコいい!」
「SEtt」は小林節正氏が立ち上げた、シューズブランド。
「日本人でもこんなカッコいい靴が作れるんだ」と感激し、いずれ自分も靴を作ってみたいと漠然と考えるようになりました。
小林氏はイタリアで靴を学んだということを知り、イタリア語はできないけれど、英語を専攻していたこともあり、英語圏の靴学校なら通えるのではないか。
しかし自分はまだ大学生。熊本から上京し、アルバイトはしているものの親に学費を払ってもらっている身分で、更に靴学校…
親の脛はかじれないと思い、まずはアルバイトを増やし、お金を貯めることから始まりました。
靴学校…という夢を持ちつつ、親に心配をかけないよう教職課程を学び、母校への教育実習も済ませ、教員免許も取得。
学業とアルバイトの両立は大変でしたが、留学ができるくらいの蓄えを作ることができました。
そして大学4年生。
母校で英語教師になるか、イギリスの靴学校へ行くか。
今しかできないこと。後悔しないためにも朧げながら抱いた夢を実現するべく、靴学校へ進むことを決心します。
【靴学校に入りたいです】
早速、イギリス大使館へ足を運び事情を話すと「ここから探してみて」と膨大な資料の中から「靴学校」の情報を探すことになります。
今はネットでいくらでも情報を得ることはできますが、まだまだアナログな時代でした。
イギリスでは有名な某靴学校。
電話をかけてアポイントが取れると、すぐに旅立ちました。
しかし某靴学校での面接で日本の学生が沢山いるとわかると、別の靴学校へ公衆電話から連絡。(日本人がいることで心強い面もありますが、甘えが出ると思ったので)
それが、イギリスのレスターという地域にある「South Fields College」です。世界中から学生が集まっていましたが、日本人は私1人でした。
私がやりたいこと、学びたいことを先生に話すと「好きなようにやるといいよ」と言われ即決。
リペア業の時と同じように、全くゼロからの出発でした。
靴の木型やパターン、縫製、吊り込み、デザイン…
靴作りの基礎を2年間学び、無事卒業しました。
※卒業証書
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【帰国後】
帰国後は靴メーカーで働き始め、靴作りというよりも、職人さんとの繋がりや生産の段取り、取引先への営業を学ぶことになります。
仕事を覚えるのに必死でしたが、現場の流れや職人さんの技術を目の当たりにしたことが、今の仕事にも活かされていることが非常に多く、どんな経験も無駄ではないな、と強く感じています。
この文章を書いたことで、これまで自分に関わってくださった方々に改めて感謝する機会となりました。
さて、次のnoteは何を書こうか…
と、考えてはいるものの、現在おかげさまでたくさんのご依頼をいただいている状況なので、もちろん作業最優先。
少々間が空くかもしれませんが、何かしら書いていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いします。