【浄化の力】アグノス・アイスレーザーワンド
澄んだ湧き水のように美しいワンドである。
石が結晶する際に、周囲の不純物を含んでしまうのは当然のことであり、
湧き水の瑞々しさをそのまま凝結させたような石ができ上がるのは稀だ。
例えばこれを人間に当てはめるなら、生まれてこのかた、一切の不純物や穢れに触れない状態で成熟したことを指す。
そのような純粋培養など、人間においてはまず不可能であろう。
また金属などの物質に置き換えてみると、純度が100%であるものは価値が高い。しかし別の物質を含有させることで、美しさはそのままに、強度を高めることができる。また加工のしやすさなど、物質としての利便性を高めることも可能になるのだ。
純粋であり続けることは難しい
しかしあえて不純物を加えることで可能性は広がる。
多くの人間は純粋であり続けることができず、歳をおうごとに穢れを纏う。
人の人生は紆余曲折を経て、一見無駄に思えるような多くの経験をする。
美しく価値ある経験ばかりではなく、汚れ荒んだ経験もある。
またそのどちらでもない、空洞のような時間を過ごすこともある。
しかしどんな時間もあなたの一部であり、あなたを形成している経験なのだ。
本来、美しい湧き水であったあなたの中に、外界から様々なものが流れ込んでくる。しかし水であるあなたは、ただそれを受け入れるしかない。
どんなに汚れても、また雨が降り、澄んだ水が内側がら湧き出し、浄化する。
そしていつか、全ての流れが止まる時、水面は静まりすべての汚泥は深く沈む。
あなたは再び澄み切った湧き水となるのだ。
故に、自らが汚れていくことを、その人生において様々な経験をさせられていくことを、決して恐れてはいけない。
この石は、あなたの純粋性を守る。
あなたの内側に流れる清い流れを。
美しい花の根に猛毒が含まれているように、世界は美しいだけでなく、危険や悪や毒に満ち溢れているが、それらを浄化していく力はさらに強く、その偉大な力が存在する限り、この惑星は存続するだろう。
地球の奥底にあるのはただ、どんな穢れも焼き尽くす、熱く純粋なマグマだ。
その中より生まれたこの石は告げる。