マーケティングとは、誰かを好きになることである。
ビジネスの世界では「マーケティング」という言葉がよく使われます。何度もこの言葉を聞いていると、ついつい知っている言葉のように感じてしまうのですが、この言葉の本質を聞かれると、意外にも答えることが難しいのもまた事実。
今日は、この「マーケティング」について、ビジネスの文脈とはちがった視点から理解を深めていきたいと思います。
たとえば恋愛をして、あなたが誰かを好きになったとします。あなたはその人ともっと親しくなりたいと思っています。付き合うことがゴールではないですが、ここではまず付き合うことをひとつのゴールとして考えていきます。
もうお気づきになっているかもしれませんが、よくマーケティングを考える際に「ターゲットを絞れ」と言われる理由はここにあります。
恋愛におけるマーケティングのゴールが「好きな人とお付き合いをすること」とするならば、そもそも「好きな人」が明確でない限り、その人と「付き合う」というゴールには向かえないのです。
では、好きな人ができたからといって、いきなり告白をするでしょうか?
よっぽど自信がある人でない限り、まずこんな思い切ったことはしないはずです。
まずは好きな人のことを「よく知る」ことからはじまる。
あなたがどんなアプローチをかけて「付き合う」というゴールに向かうにしても、まずは好きな人のことをよく知ることからはじめると思います。
その人のことをよく観察して、可能であれば直接コミュニケーションをとってみたり、どんな人がタイプで、何が好きで、何が嫌いなのか。
マーケティングは、あなたが好きになった人のことをよく知ることからはじめるものなのです。
ビジネスでは「好きな人」も明確になっていない「その人のことをよく知らない」なかで、いきなりブログを書きはじめたり、SNSで発信をしていくこと自体をマーケティングと考えている人が多いのです。
恋愛に置き換えると、それらの行動はあまり意味のない「マーケティングっぽいこと」ということがおわかりいただけると思います。
ここまでをまとめると、マーケティングとは「誰かのことを好きになること」からはじまるのです。そして、本来マーケティングとして一番はじめにやるべきこととは、その好きな人のことをよく知ることからなのです。
その人のことをよく知っていき、そこからはじめて、その人との距離を縮めていくアプローチを考えて行動に落とし込んでいく。
言い換えるならば、マーケティングとは「好きな人のことをよく理解して、その人との一番最初の接点からお付き合いするまでの一連の流れを考えてつくること」とも言えるのです。
これをオンラインの中で行っていくことをWebマーケティングと言い、直接のリアルな場で行っていくことをリアルマーケティングとも言ったりします。
あなたには「その人のために時間を使いたい」と思うような「好きな人(対象としているお客さん)」が明確になっているでしょうか?
その人のことをよく知り、理解するための行動ができているでしょうか?
マーケティングとは誰かを好きになることから、はじまるのです。