英語試験の歴史
試験評価の歴史を遡ると2250年以上前、中国漢代の王朝が、国を統治するために適した人材を見つけ出すことから始まります。その後、中国で3日間かけて人の能力を評価するような過酷な試験さえも生まれ、試験中に死者が出ることもあったそうです。試験というものは人生を運命を左右してしまうものだったため、その時代からカンニングがあり、試験のために人々は命がけで戦ってきたのです。今でも大学受験シーズンになると日本を始め、特に中国や韓国などでは一家総出で試験に送り出すのが当たり前となっています。試験評価を通して適任を見つけ出し、適した業務を与えるという形で始まったこの形式は今でも現代社会にも色濃く残っています。
1913年にイギリスで英語の試験Cambridge Proficiency Examination(CPE)が始まりましたが、驚くべきことに英語の試験は学習者ではなく先生向けのものでした。そのため内容はフランス語やドイツ語への翻訳、英文学や音声学の知識を測るもので、14時間のテストでした。1962年にはアメリカでTOEFLがアメリカの大学に留学する学生のための英語のテストとして生まれました。翌年1963年に日本で日本英語検定協会が生まれ、テスト市場が上手く行っていたことをきっかけに1977年には日本市場向けにTOEICが発案され最も影響力のあるテストになりました。そして1989年にケンブリッジ英語検定機構とブリティッシュカウンセルによりIELTSが開発され今では年間350万人が受験する世界基準の4技能試験となっています。
僕自身もIELTSに悩まされIELTSにハマってしまった一人ですが、英語学習者の皆さんには原点に立ち戻り、何のために試験があるのか?をもう一度深く考えていただきたいと思います。大量生産するために選択問題が生まれ、1942年には4択問題を自動で採点する機械が発明され産業化が加速しました。
本質的な人としての個性や特性を評価するのではなく、数字で人を評価する時代が続いています。社会や組織を動かす上で重要な評価ではあるが、人と比べて数字が低いことで個性を殺されてしまう試験であってはならないのです。評価は社会を動かすための人生の極一部で人生を左右するべきものではないのです。
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