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英語学習には『憧れ』の存在が不可欠である

皆さんは『憧れ』という感情で興奮して、いても立ってもいれなかったという経験はありますか?英語で『憧れ』はadmireといい、語源はad(方向)+mire(驚く)で、誰かがいる方向を見て驚くという原義があります。mirro(鏡)やmiracle(奇跡)も驚きという語源があります。今回はその『憧れ』について英語学習の観点からお話しします。拙著『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』もある同世代の少年への憧れの話から始まります。

同世代の少年に憧れる瞬間

中学2年の夏、カナダに住んでいる叔母の家に1週間ほど滞在したことで、僕の英語観は大きく変わります。叔母の家の近所に、リュウタロウくんという、僕と同い年の男の子が住んでいま した。日本人同士。男同士。そして、同い年。リュウタロウくんが日本語を話せたこともあり、僕たちはすぐに意気投合し、滞在中、毎日遊ぶようになりました。ある日、僕たちは、当時流行っていたカードゲームで使うカードを買うためにコンビニエンスストアへ行きました。ともにカードの入った袋を手に取ると、リュウタロウくんは僕の一歩前を進み、 流ちょうな英語で店員さんと会話を交わしながら、会計を済ませます。初めてリュウノスケくんが英語を話している姿を見て、僕は衝撃を受けました。 どこからどう見ても日本人の風貌であり、実際に日本人である彼が、外国人と英語でコミュニケーションをとっている― 。 リュウタロウくんはカナダ生まれであり、英語はネイティブ。どちらかといえば英語を話すことのほうが「普通」なのですが、それまで僕の前では日本語しか話していなかった彼の口から、カッコいい発音の英語が出てくることに、素朴な驚きを覚えました。「すごい、カッコいい」 「僕も英語を話せるようになりたい」 「そのためには、もっと英語を勉強しなきゃ」僕に英語を勉強するきっかけを与えてくれたのは、英語の教科書ではなく、リュウタロウくんだったのです。この出来事をきっかけに、僕にとっての英語は、「誰かに与えられた勉強」から 「自ら学びたい言葉」へと変わっていきます。(引用:アジアNo.1英語教師の超勉強法

著書には書いていませんが、同時期に僕の住む街に短期留学で訪問していた中国系オーストラリア人のDavidとの出会いも同様の感情がありました。中国系とはいえオーストラリアから来たから英語しかできないと思っていた彼が突然両親と中国語で電話し始めた時です。驚きの余りあの時、「Davidが中国語で話した!」と両親に報告したのを覚えています。人生で初めて目の前で生の中国語を聞いた瞬間です。その頃から『言語』に対して敏感になってきたのかもしれません。そして別次元の言語を操る人への強い憧れが芽生え始めます。

ただ単純に目の前の英語の試験やTOEICを闇雲に取り組んでいた大学の時に、この方との出会いでマインドセットが一変します。そのきっかけとなったのが「加藤嘉一」であったのです。

上の記事の中にもあるように加藤嘉一の存在を知ったときは「凄い人なんだ〜」という感情しか芽生えず他人事だと思いその場をやり過ごしていました。ところが母校山梨学院の先輩だという事実をテレビを通して知ることになり衝撃を受け、一気に距離感が近くなりこの話は自分事へと変化したのです。

加藤嘉一の日本再創造へのビジョンと行動

そこから取り憑かれたように著書を買い漁り何度も読み返すようになります。そして彼の言葉の一つ一つが胸に刺さります。このまま山梨で埋れていてはいけない。自らを発信し続け世界に出て挑戦していかなければいけない。そんな意識が芽生えてきたきっかけが加藤嘉一です。そして2:40から注目してこの動画の見て頂きたい!日本語での説得力のある発言を瞬時に中国語に切り替え聞いている人を圧倒させる。これこそ僕が今でも追い求めている母国語以外で自分の想いや考えを主張し論破するスキルです。

内容面も言語面も当時大学生だった僕は感化され「加藤嘉一のようになりたい」と燃え上がっていました。ちなみに冒頭での「若者の閉塞感、内向き下向き後ろ向き」というフレーズは本人から許可を得て僕自身も講演等で多用しています。

加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!」 思考停止のニッポンをぶった切る

彼の主張や言論はネット上で物議を醸すことが多いのですが、彼の連載「だったらお前がやれ!」のタイトルにあるように、自分ができないから揚げ足をとることでしか発散できない人々もいます。おそらく加藤嘉一に逆の憧れを抱く人は僕が書くような記事を読み、自分ではできないという怒りが込み上げさらに反感を抱きます。僕はこれもある種の憧れであると信じています。感情の深いところが揺さぶられるという意味では好意的な憧れと同じものだと思うのです。前例のないこと、革新的なことに挑戦すると批判は伴いますが、人間は誰もがこの「憧れ」の気持ちがあるのではないかと思っています。そんな憧れから感情が揺さぶられるような経験に興味を持ち大学院では心理言語学を学び、この憧れの正体を調べました。またこの憧れを再現するためにチームで様々な教育プロジェクトを実施してきました。

Dörnyeiの第二言語動機づけ自己システム

心理言語学の権威Zoltán Dörnyei(2005)は3つの観点から動機づけを捉えたL2 Motivation Self System(第二言語動機づけ自己システム)を提唱しています。

Ideal L2 Self(L2理想自己)
Ought-to L2 Self(L2義務自己)
L2 learning experience(L2学習経験)

その中でもIdeal L2 Self(L2理想自己)は第二言語を使う理想のセルフイメージです。つまり将来第二言語を使ってこんな風になりたい!とイメージしたとき、現時点の自分と到達目標の自分を想像しそのギャップを埋めたいという動機づけが生まれます。このIdeal L2 Self(L2理想自己)こそがあのとき芽生えた憧れ感情から自分のこれまでの英語学習に対する動機づけが説明できました。加藤嘉一の書籍や動画を見るたびにこのモチベーションが生まれていることに気づき、大学院受験の辛い時には加藤嘉一を念頭に奮闘していた過去があります。ちなみにタクトピアのイングリッシュキャンプではイングリッシュキャンプではL2 learning experience(L2学習経験)を意識してちょっと年上のお兄さんお姉さんと非日常的な学習環境で意味のある学びを提供しています。

Reference
Dörnyei, Zoltán(2005). The psychology of the language learner: Individual differences in second language acquisition. Routledge.

加藤嘉一と夢の白熱対談!

そんな僕の憧れの存在、加藤嘉一と対談させて頂けることになりました。加藤嘉一が中学高校を過ごした山梨と山梨学院への恩返しがしたいという想いから今回の対談が実現しました。11月24日(火)は山梨外語学院(CLAY)にて対談をオンライン生配信します。先着100名にZoomのリンクをお送りしていますのでこちらからお申し込みください。11月25日(水)は非公開ですが、母校山梨学院の中学生全校270名対象の講演会です。「ことばとグローバル」と題して山梨から世界へ羽ばたくための秘訣を伝授して頂きます。山梨学院中学校の皆さんはお楽しみにしていてください!

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加藤嘉一はなぜ山梨から北京大学へ行き、ハーバード大学で研究し、香港大学で教えているのか?なぜ100万人以上の人々を虜にして個を発信し続けることができるのか?どのようにして中国語をネイティブレベルまで身につけたのか?先着100名に当日オンライン生配信のURLをお送りします。お申し込みはこちらから

11月24日(火)加藤嘉一×嶋津幸樹、夢の対談イベント

10代で出会う『憧れの存在』が人生を変える!

Lingua Live特別講演


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