乳児の笑いも、緊張と緩和
笑いは「緊張と緩和」とよく言われる。
ざっくり言えば、緊張状態から解き放たれ緩和する時に、
人間は笑う、という考え方だ。
確かに、テレビでのトークなどを見ていても、
緊張感のあるシーン(誰かに怒られた、失敗した)に引き込まれ、
その後、考えもしなかった「オチ」で、笑いが起きることがよくある。
そんな「緊張と緩和」は、子供、もっと言えば赤ちゃんでも同じだ。
太古からの鉄板:いないいないばあ
赤ちゃんに対しての「いないいないばあ」。
昔からの鉄板中の鉄板。多くの赤ちゃんを笑わすために使われてきた。
「いないいないばあ」を、よくよく考えてみると、
とても綺麗な「緊張と緩和」だと分かる。
「いないいない」で、赤ちゃんに対して、緊張を生む。
「あれ、どこにいっちゃったの?」と感じさせる。
そんな緊張状態からの「ばあ」。
顔が見えたという安心だけでなく、
「ばあ」という一種の奇声による驚き。
赤ちゃんは笑いという緩和を得る。
不思議なもので、ただ「ばあ」とか言っていても、
赤ちゃんのリアクションは薄い。すべってしまう。
「いないいない」をワンクッション挟むことで、「ばあ」が活きる。
誰が考えたか知らないが、「いないいないばあ」は、
とてもよくできた「緊張」と「緩和」だ。
緊張からの緩和で意識すべきこと
赤ちゃんに対して、「いないいないばあ」をしていると、
タイミングの重要性を感じる。
使う言葉は、「いないいない」と「ばあ」だけ。
つまり、大したことは言っていない。
では、大事なのは何か。タイミングだ。
「いないいない」が長すぎると、緊張が強くなりすぎて、
「ばあ」で緩和できない。逆に泣かれてしまうことさえある。
かといって「いないいない」が短すぎると、
対して、緊張していないので、あまり笑わない。
タイミングこそすべて。
しかも、赤ちゃんの機嫌によってタイミングは変わる。
何回も同じタイミングだと飽きられるので、リズムを変えることも必要。
意外と奥が深く、センスが求められる。
普段、友人と大人同士での会話でも、同じことを感じる。
(自分はセンスがないので、無理だが)
笑いが起きる時は、何かを言う「タイミング」が絶妙だ。
仲が良い、付き合いが長いと、「リズム」を合わせやすいから、
笑いを生みやすい。
逆に偉い人や怖い人と一緒にいる時は、言葉を選ぶことになる。
言葉を選んでいるうちに、タイミングを失する。
当然、笑いが生まれにくい。
初対面の何十・何百という観客の前で、適切なタイミングを感じ取り、
爆笑を取るお笑い芸人の方は、本当にすごい。異常だ。
「乳児を笑わせる」という一つの行為を通じて、
「緊張と緩和」に関して、笑いの奥深さを感じられる。
まとめ
『緊張と緩和は、タイミングが全て』
肝に銘じよう。
かしこ。