良い「いじり」と悪い「いじり」
人を「いじる」という言葉がある。
よくお笑いで用いられ、特定の人をからかったり、
話題にしたりして、注目を集めさせることだ。
「いじられキャラ」なんて、言葉もある。
ただ、人を「いじる」と言う行為は、
場を盛り上げる効果もある一方で、
いじられた人を時に、傷つけたり、怒らしたりすることもある。
「いじられる」立場では、
あまり邪険にしすぎても、空気読めないと思われそうだし。
かといって、嫌な気持ちを我慢するのも、大変だ。
自分自身は、いわゆる「いじられキャラ」になることが、昔から多い。
私は、自分の「いじられ」経験を分析したところ、
ノッておいた方が良いいじりと、
避けたほうがいい悪いイジリが、明確になってきた。
本記事では、その分析結果をお話したい。
※下記では、あくまで、「私が」考える良い・悪いを記載する。
人によって、何が嫌かは違うのが当たり前。
下記で言えば「良いいじり」でも、自分が嫌なら、適切な対応を取ろう。
また、当然ながら、相手が嫌がっているのなら、いじるのは止めよう。
良い「いじり」と悪い「いじり」の差
まず、良い「いじり」と悪い「いじり」の差を分けるものは、何だろうか。
私の中での答えは、
「『場を盛り上げる』という点に集中しているかどうか」である。
集中していれば「良い」いじりだし、違うのなら「悪い」いじり」だ。
「場を盛り上げるという一点に集中していない」、つまり
「悪い」いじりとはどういうことか。
「悪い」いじりの裏には、以下のように目的がある。
①承認欲求:(いじられ側ではなく、いじる側が)目立つためにやっている。
②自己満足:(その場ではなく)ただ単にいじる側が楽しみたい。
③劣等感の裏返し:自分の方が優位であることをなんとか示したい。マウンティング。
いずれも、あくまで「いじる側」の欲求のためにしており、
「場」に集中していないことが、分かる。
こういう悪い「いじり」は、周囲も分かっているので、
ノりたくなければ、無視すればいい。
いじられ側が害を被ることは無い。
器の大きさを見せたいのなら、①②で来る人は、
「かわいいやっちゃなあ」くらいでノってあげてもいい。
ただ、③は明確に避けるべきだ。
というか、③をしてくる人との縁を切った方がいいレベルだ。
なぜなら、本気でいじられ側の価値を下げに来ている。
しかも、いじった程度で、劣等感など克服できないから、
どんどん麻薬のようにエスカレートする。
あることないこと、嘘や変な噂を流される可能性さえある。
見分ける方法
とはいえ、「いじる側」の心理は、明確に分かるものではない。
違う人間なのだから、当たり前だ。
ではどうすればよいのだろうか。
実は、「悪いいじり」を明確に見分ける方法が一つだけある。
「いつでも、どこでも、同じ言葉・同じ表現でいじるかどうか」だ。
先ほどの「良い」「悪い」を見分ける基準を振り返って欲しい。
基準は「『場を盛り上げる』という点に集中しているかどうか」だ。
人がコミュニケーションをとる「場」というのは、常に変わる。
二人きりなのか、みんなでいるのか。
みんなで居る時、メンバーには誰がいるのか。
話している場所や時間もそう。
「場」は多様で、常に変化する。
多様であるから、当然、場を盛り上げる手段も、変わる。
必然的に、「場を盛り上げる」ための「良いいじり」は、
いつも異なる言葉、異なる表現で行われる。
一方、「悪いいじり」は、上記の通り、いじる側の欲でしかない。
もちろん「場」のことなんて、気にしちゃいない。
自然とラクな方、ラクな方に流れる。
どんな場所で、どんな時でも、誰と一緒でも。
いつも「同じような言葉、同じような表現」でいじってくることになる。
いじり方が単調である、と言い換えてもいい。
「悪い」いじりへの対処
もし、いじられる側自身が、
なんか「いつも同じだな、退屈だな」と思うのなら、
「悪いいじり」である可能性が高い。
そうしたら、感じたまま、
つまらなそう、退屈そうなリアクションをしていればいい。
「いじる側」はリアクションがないと、つまらないから、
「悪いいじり」をいつの間にかやめていく。
「嫌がる」のは「いじる側」からすると、
楽しくなってしまうので、逆効果だ。
あくまで「つまらなさそう」「退屈そうに」する。
ノーリアクションでいい。
優しい人ほど、「悪いいじり」に対しても、
ちゃんとリアクションを取ろうとする。
ただ、「悪いいじり」は、場を盛り上げようとしていないので、
単純に「場」にとって害である。
「いじる側」に忖度するのではなく、「場」のことを考えて、
勇気をもって、ノーリアクションをしよう。
そうすれば、「悪いいじり」がなくなり、
場を盛り上げる「良いいじり」だけが飛び交うようになり、
みんながハッピーになる。
まとめ
『自分のことより、「場」のことを考える』
肝に銘じよう。
かしこ。