「初演」の話
吾輩はオフである。
— 唐橋充 (@MituruKarahashi) June 21, 2023
舞台の初演と千秋楽ではここが違うぞコラ!などのレビューを楽しく読ませてもらっている。
ところで演劇で云うところの初演とは、再編成の後上演された同タイトルを「再演」、対しての前作を「初演」と呼ぶので、4月30日の花影は「初日」と呼ぶと一部の演劇人は喜ぶかもしれません
同一公演期間の「初日」を「初演」と言ってる人は、個人的にはあんまり見たことないのだけど、演劇人である唐橋さんとは目にする絶対数が相当違うと思うので、その観測範囲にそこそこいるなら、やはりそれなりにいるのであろう。
さて、改めて、同一公演期間、つまり例えば6/1〜10までの舞台で、6/1の公演は初日、6/10が千秋楽…というのは分かりやすいとおもう。
また、この公演を同一キャストだろうがキャスト入れ替えだろうが、脚本改訂だろうが、演出家が変わろうが、基本的に「同じ作品」として再度上演するならそれを「再演」と呼び、最初に上演されていた方を「初演」と呼ぶ、つまり再演があって初めて初演という呼び方が必要になるものだと思っている。
劇団四季とか宝塚みたいなタイプは同一作品を繰り返し上演しがちなイメージなので、そうなってくると○回公演とか○年公演とか言われたりもするでしょう。
どの程度同じなら同一公演なのかは、もう運営、主宰、制作の感覚次第なのかなとおもう。「ももたろう」が再演時に「ももたろう(改)」とかなって「ぜんぜんちがうじゃん!?」ということもあるが、新作と言われなければそれは再演なんだろう(笑)
で、ここからなんだけど…原作ありの作品にありがちなのが、シリーズもの、というやつで。もちろんオリジナル劇でも好評だと続編があったりする、それで「ももたろう」の続きなら「ももたろう2」とか「続ももたろう」とか「ももたろう旅立ち編」とかなるわけだけど、「ももたろう2」であればまだ最初のほうは「1」って呼べばいっかなーってとこあるけど、「○○編」とかで、時系列が前日譚だったり、同じ時間軸の別サイドの話(たとえばももたろうを鬼側の目線で書いてるとか)とかだったりすると単純に最初の方を「1」と表すのもなんかなーみたいになったりする。
これを、何故か「初演」と呼ぶ習慣が一部にある…単純に「2」「3」と続く場合ですら初演と呼ぶこともあるようだが、頭の固いわたしはどうにもこの「再演が無いのに初演と呼ぶ」ことに馴染めない…ので初日を初演と呼ぶとかもってのほか(大笑)仕方なく、たぶん誰も言ってない「初作」という表現を用いている。
なお、玄人ぶらずに素直に「第一弾」「第二弾」と呼んだらいいじゃんという向きは大層わかるのですが、何でも縮めたい国民性、6文字には抵抗があるんだよなー(大笑)
さてはて、ちょっと話が変わって…規模の大きな作品になると地方公演なども出てくる。東京→大阪→また東京なんてパターンもある、この場合の後半の東京を「凱旋公演」などと呼んだりする。これも個人的には、抵抗があると言う程ではないものの、ちょっと小っ恥ずかしい(笑)もともと予定になくて、追加で改めて東京でも公演を…というなら異論はないのだけど、初日明けるどころかまだ脚本も出来てなさそうな時期から「凱旋」って…わら…そんな勝ち確なのすごいじゃん…これで大コケしてガラガラだったりしても千秋楽まで頑張れるのかな?まぁそんなことは無いんでしょうけどwwwでもやっぱさ、結果的にそうなるにしても最初から、しかも自分から言わんでほしいみたいな居心地の悪さが…あ、ちがうのよ、その話をしたかったんじゃないわ。
えーと、このときに、初日と、あと千秋楽が増えるねって話。先述の例だと「東京初日、東京楽」「大阪初日、大阪楽」「凱旋初日、凱旋楽」となり、この凱旋楽を「大千秋楽」の略で「大楽」と呼ぶことが多い。
ここでまた…めんどうなのが…いや、大楽そのものは別に構わん。ただ、正確には「大千秋楽」は「おおせんしゅうらく」と読み、だから略して「おおらく」なのだが、今って若手だけじゃなく殆どの人が「だいせんしゅうらく」って言うしそれを「おおせんしゅうらくだよ」って指摘されてるの見たことないし、そもそもわたしなんかは「本日おおせんしゅうらくにつき」って声にしてるのを実際に耳にした経験は無い。
そんで、千秋楽の前の公演を「前楽」と呼んだりもする。これは読みは共通して「まえらく」だとおもうのだけど、、問題は「いつが前楽なのか」で…6/10が千秋楽なら6/9が前楽…だと分かりやすいのだけど、6/10に公演が昼夜2公演あったりすると、夜を千秋楽、昼を前楽と言ったりする。が、ここでさっきの大楽に戻ると、この6/10の夜を「大楽」と呼ぶ場合もあり、その時は昼公演が「前楽」になる…なんでやwww
なお、「楽日」の場合は「日」が単位なので6/10に3公演あろうとも6/10が楽日である。
また、6/10に1公演しかなくこれが素直に千秋楽公演だったとして、前楽6/9に昼夜2公演あったら、前楽なのは夜公演のみ、なんだとおもうたぶん(笑)このパターンで6/9の昼公演を前楽と呼ぶ人はほぼ見たことがない。
そんなわけで、凱旋公演の楽日に2公演あり、その前日も2公演あったりすると、千秋楽と前楽が渋滞したりしてもはや笑ってしまうことがある。
なんか決めてくんねーか、と思うときもあるけど、まぁゆるゆるやればいいじゃんね!って思うこともある。
なお、主に体力(視力や集中力なども総合して)面でマチソワなるものが難しいわたしは、あんまりそれに振り回されることはないのだけど、大楽や前楽って配信や収録のための撮影があったりで目にしやすいから自分に関係なくても「ん?」って思ったりしがち、ということで。
初演の話を千秋楽の話で締めて終わります。祝、完走。