金よりも大事なもの。爆竜戦隊アバレンジャーを語る 第9話〜第10話編
第9話「目覚めよ!アバレサバイバー」
神隠しとサバイバル
凌駕と鈴木はトリノイド第8号キンモクセイカミカクシの放つ金木犀の香りにより異世界に神隠し(転送)させられてしまうが、周囲の植物や生き物を観察することですぐに此処が現実の世界じゃないことを突き止める凌駕は博識なだけでなく肝も据わっていてとても頼れる大人として描かれている。
凌駕は人に流されないマイペースさを持っているのだがその陰にしっかり他人をよく見ているというアンバランスさが彼の不思議な魅力となっている気がする。
人によって白亜凌駕に対して分からない怖いと評するぐらいだ。
その裏で現実世界では次々と人を攫うトリノイドとそれを追う残されたアバレブルーとイエローによるイタチごっこが始まっていた。
三者の会話から既に数回はこのやり取りを繰り返しているようだ。
直接的な戦闘力は無さそうだがトリノイドの「隠れマント」とやらで自分自身を神隠しさせることで幾度となく二人から逃走している。
第4話や第7話のトリノイドもそうであったが、目的のために戦略的撤回を選ぶことの出来る怪人とはこの上なく厄介だ。
今作の敵組織であるエヴォリアン自体がアバレンジャーを倒すこと自体は目的とは関係無いことが彼らとの不要な戦闘を避ける傾向に繋がっているのだろうか。
凌駕の帰りを待つ舞ちゃんを励ましてくれるティラノの姿は親の代わりに見守る叔父さんのようだ、いや叔父さんは凌駕なんだけど。
ダイノガッツに触れる
異世界に誘われた人々と合流した凌駕は彼なりのアプローチで不安に駆られる人々を元気づけようとする。
ダイノガッツを持つみんなの力を合わせれば何とかなると力説する凌駕はデモンストレーションとして巨大な岩を持ち上げようと言い出す。
一見すると無駄な行為だが、岩を持ち上げることに深い意味はなく不可能を可能にしようと人々の心を一つにすることに意味があるのだと凌駕は考えたのだと思う。
馬鹿らしいと内心考えながらも凌駕に続き岩に手を当てて微笑む鈴木の表情は前半のネガティヴな表情とは裏腹に生き生きとしていた。
そうして人々と巨大な岩を持ち上げようと力を合わせた時、現実世界にすらその影響を及ぼした。
海の底で待機する爆竜たち、眠るアスカ、そひて戦闘中のブルーとイエローにまで凌駕の声が響いて来る。
決してその大岩が異世界の弱点だったというわけではない。
エヴォリアンに対抗できる唯一の力であるダイノガッツが異世界を内側から壊していったのだろう。それは第1話でアスカが語っていた通りだ。
だが今話ではアバレンジャーとなれる凌駕一人の力だけでない人々のダイノガッツが引き出されている。
凌駕は単純に人々を励ますためにダイノガッツを説いたのだろうがそれが見事解決へと繋がった。
ダイノガッツという重要なワードは今後も使われていく。
ダイノガッツが何なのかはまた別の記事で触れるが私なりの解釈では「信じる心」「心を一つにする」ことなのではないだろうか。
ダイノガッツや凌駕の言葉を信じ、バラバラな心を一つにすることで人々に眠る小さなダイノガッツを一つの大きな力にすることが出来たのだろう。
真っ直ぐ白亜凌駕にはそれが出来る不思議な魅力が第9話にして真価を発揮したと言える。
戦闘終了後に助けた人々から万歳される凌駕のその姿こそ彼の人となりを表している。
人々を信じ、人々に信じられる凌駕の広い心は後に酷く追い詰められていくことを彼らはまだ知らない。
今回目立った戦闘シーンはやはり終盤の巨大戦だろう。
第8話の戦いから目覚めたアスカとバキケロが駆けつけ遂にアバレンオーとバキケロが合体する。
「爆竜コンバイン!完成、アバレンオーナグルス!!」
右腕となるトリケラに代わり右腕へと換装されたバキケロは巨大なパンチングマシーンとなる。
そうして放たれる「爆竜必殺バキバキパンチ」は巨大化したトリノイドを遥か上空に吹き飛ばす強大な必殺技だ。
第10話「アバレリーガー金縛り」
日々思うのだが三条幸人特製のカレーフルーツポンチって組み合わせは考えはともかく決して不味そうとは子供の頃よりは思えなくなってきた。
多分飾り付けがちゃんと意識されているからだろうな。
幸人さん見栄えに関してはちゃんと力入れるだろうし。
フルーツやデザートの盛り付けって意外と難しいんだよね。
まあ、アスカさんは腹壊してるけど。
そんな最中出現したトリノイド第9号バンクマッシュルームにより人々はマッシュルームカットにされていた。
...なんで?
カリスマ整体師とアバレブルー
度々描写される幸人の施術だが如何やら人間業ではないことが判明する。
何で腰に手を当てて体内の骨が行ったり来たりすんだよ何てツッコミ(罵詈雑言)はバンズ本人にしか出来ないだろうし、
そりゃ今まで幸人の治療を受けた人たちが悲鳴を上げるわけだよ。
だがその成果に文字通り心踊るバンズは幸人を大リーグの専属整体師にと誘う(美辞麗句)
幸人さんは綺麗な女性に躍るタイプじゃない気がするが今回ではそうなんだろう...。
結果は拒否。
らんるとえみポンの予想とは裏腹に、三条幸人はカリスマ整体師としてではなくアバレブルーとして生きていた。
第1話や2話からは予想のつかないその姿は間違いなくヒーロー然としていた。
「今はアバレブルーだ、今は...無理だ。」
「バンズとは金の問題じゃない、あいつらには俺のダンディズムが分かってない」
これが彼の答えだった。
三条幸人は仕事に関しては確かに多額のお金を要求する。その理由は後になって判明するがだからといって金で動く人間ではないことは第2話を見ている人なら分かるだろう。
彼は彼なりに理由があるし、やるべきことをやっているに過ぎないのだ。
それを他人に明かさないところがある種の重荷にはなっているが。
ところで整体中の幸人を見守る時に凌駕とらんるが仲良く食べてるデカいきのこの山みたいなお菓子が子供の頃から食いたくてしょうがなかった。
どこで買って来たんだよ、教えてくれ。
一方その頃アスカさんはトイレでビッグマネーについて考えていた。
何で野球場でサッカーみたいなことしてんだよ。
なんてツッコミはダイノアースから来た彼にはきっと無意味だろう。
一人で物思いに耽る幸人の目の前にはトリノイドにマッシュルームカットにされた人たちが何でも金で解決しようとしている状況に遭遇する。
何でこいつらまだ襲われた場所にいるんだよ。
人間だけでなく鳥までもマッシュルームカットになり札束を咥え(なんで?)遂にはバンズすらも金の亡者になってしまう。
水色のマッシュルームカットを流しながらサンタの持つような大きな袋に現金をこれでもかと詰め込んだ(なんで?)バンズの姿と
トリノイドの「お金縛り」によりプリンみたいに拘束された幸人さんの姿は必見だ。
遂に揃う4人のアバレ
第10話にして遂に揃って戦うアバレンジャー。
それなのに初戦でやることが巨大な貯金箱を構えたキャッチボールだ。
「あの無駄遣い攻撃を貯金で防げ!」
「貯金箱を持って来ました〜」
なんで?
それでも無駄遣い攻撃には敵わない、貯金箱に決して無限にお金が貯められるわけではない。
貯金箱とバンク(銀行)では相手にならないのは当然だ。
B・バンズの助力によりトリノイドに一泡食わせるもその強力な一撃に冬眠。
なんで?
春となり冬眠から目覚めた熊は凶暴化し純粋な暴力による猛攻に後退りするアバレンジャー。
なんで?
だが彼らは屈することはなく4人同時にアバレモードへと変化する。
メンバー全員でのアバレモードによる戦闘は今までよりも激しく荒々しい迫力のあるアクションとなっていてとても見応えのあるアバレっぷりなので是非見てほしい。
ギャグ回であることを除けば文句なしにカッコいいのだが。
アバレンジャーの猛攻に後退するトリノイドはダイノボンバーとアバレンオーナグルスの必殺により敗北する。
アバレの怪人って変なやつに限って無駄に強いの何なんだよ。
以上が爆竜戦隊アバレンジャー第9話〜10話を語るでした。
正直今回の話はこの記事を見るよりも実際に視聴してもらった方が早いと思うので是非サブスクなどで見て欲しい。
次回、「その気で躍進!えみポンの初陣」と「新たな爆竜大アバレ」でお会いしましょう。
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