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樹らんるの怒り。爆竜戦隊アバレンジャーを語る 第5話〜第6話編

2024年12月20日より東映特撮YouTubeOfficialにて爆竜戦隊アバレンジャーの第5話と第6話が放送されました。
この記事ではアバレオタクが好き勝手語るだけです。

第5話「アバレ治療!ジャジャジャジャーン」

エヴォリアンとギガノイドの序曲

 敵組織であるエヴォリアンには複数の幹部がいる。現段階で目立っているのは怪人トリノイドを制作する芸術家である創造の使徒ミケラだが、今話から音楽家である無限の使徒ヴォッファの指が鳴る。
ヴォッファが繰り出すは彼の豊かなメロディにより生まれた交響曲、ギガノイド第1番運命が誕生する。
トリノイドがショッカーでいう敵怪人ならば、ギガノイドはウルトラマンでいう怪獣に値する生命体であり(特撮の例えを他の特撮で例えるのはどうなのだろうか....)
初っ端から巨大化した状態で街中に出現する。

このギガノイドという設定はロボットの活躍を見せたいスーパー戦隊シリーズに上手くマッチした存在となっていて、今後ギガノイドの出現がアバレンオーの活躍を期待させてくれる。

そんなこんなでいきなり巨大戦を強いられるアバレンジャーだったが、アバレンオーとなる爆竜たちが現れるよりもギガノイドの破壊光線がブラキオを強襲してしまう。
爆竜ブラキオサウルスは謂わば爆竜たちの移動要塞であり、彼が早々に何らかのトラブルに巻き込まれるとアバレンジャーは戦えないという弱点が浮き彫りになってしまう。
巨大戦のノウハウが少ないアバレンジャーはピンチに追いやられるもギガノイドの謎の習性(音楽に反応したり追いかける)により難を逃れる。

他人に何を言われても背中で受け、黙って行動と実力で示す。
努力や思考を悟られず、ただ結果を残すその姿が子供の頃の私にはとてもカッコいい大人だと感じた。

一匹狼、三条幸人の流儀

 第2話の時点で察せられるかもしれないが三条幸人の個人回へ基本的に一人で行動して一人で問題を解決するのがテンプレだ。
今回の戦いもその最たる例となっている。
勿論、その単独行動はらんるからも指摘されているため決して褒められたものではないが、それでも彼のやり方は今後も変わることはない。
一匹狼の仕事人三条幸人は口ではなく行動や結果を示すスタイルだということをアバレンジャー全体の物語を通して仲間や視聴者たちに伝えてくれる。

以前幸人が治療したはずが何故か再び歩くことの出来なくなってしまったレーサーさやかのアフターケアとギガノイドの攻撃により負傷したブラキオの治療を同時進行で熟す姿はプロフェッショナルに相応しい活躍だった。
行動力と深い知識に基づき、彼の仕事により得た人脈によりスムーズにことが進んでいく。

幸人さんは一見すると自分を棚に上げているように見えるが、それは自分の整体師としての能力と実績に誇りを持っているからだと思う。
第2話でアスカに自身の年収を払えるのかと問いたがそれもお金が目的なのではなく、自分の価値が理解出来ていて彼の態度や発言が実力と行動力に見合ったものとして成立している。

ギガノイドの引っ張るロープによりブラキオの首が固定されたタイミングで、アバレブルーの仕事は始まる。
さやかの操る車がブラキオの後ろに回るタイミングで挿入歌『ダイノガッツが止まらない』が流れる。
この歌はアバレンジャーの熱意や激しい衝動が歌やリズムとなって奏でられていて、逆転や処刑用BGMの言っても過言ではない。
Apple Musicで聴けると思うので是非聴いてほしい!
この歌が流れるタイミングのほとんどが作中の熱い戦闘ということもあり記憶に焼き付く人が多いことだろう。

声を高らかに爆竜チェンジするアバレブルーの針治療によりブラキオの骨も完全復活。
トリケラバンカーは盾にもなるし、ビームも出る(第4話参照)針治療もできる万能武器だ。
それにしても誰だよ戦隊のブルーにパイルバンカー装備させようと思いついた奴。天才だよ。

利用されたことに怒りだすギガノイドと遂に対峙するアバレンオー。
ギガノイドの転送能力をトリッキーな戦法でウルトラシリーズよろしくの回転戦法や怒涛の攻撃といった力技で対処していくアバレンオーの戦いも魅力的だ。
そして最後には「ドリルの中心」へ転送され「運命」はフィナーレを迎える。
左腕のドリルが見た目に反して器用すぎる!

第6話「アバレアイドル老け娘」

 アイドルという道はいつの時代も切磋琢磨という言葉からは逃げきれない。
虚構を磨いた結果、自己を削られることになってしまう恐れもあった。
失敗を恐れない彼女もまた失敗を糧に生きていた。

諦めた者と進んだ者

 夢追う仕事と機械いじりの趣味という分かれ道でらんるは趣味を選択した。
どちらを選ぶかに善し悪しはないがアイドルという苦楽を共にした仲間であるリリアンの瞳にはどう映ったのか。
諦めたのか、逃げたのか。どうであろうともう交わることはないであろう彼女たちは再び相見える。
片やスーパースターとして。片やヒーローとして。
リリアンはらんるを軽蔑するように見ていた。
らんるの一度決めたら止まらない性格から考えてきっと一方的にアイドルを辞めてどっかに行ってしまった可能性が高い。
彼女の素ぶりからしても振り返ることなく、置いて行かれたリリアンに見向きもせずに。

そんな最中、エヴォリアンの芸術家ミケラの爆発する創作意欲のもと誕生したトリノイド第6号ザクロバキュームがあまりにも現実的かつ長い目を見過ぎている作戦が開始される。
それは、
「若い女性から若さを吸い取り国民年金問題を深刻化させる」というものだ。
いや、もっと有るだろう!?
とツッコミを入れたくなるが、女性だけが老いてしまうというのは生物的にも非常にまずい事態だ。
基本的にトリノイドの戦法はこういった感じで何言ってんだ+よく考えればヤバくね?みたいな戦法ばかりとってくる凶悪な怪人たちだ。

樹らんるの怒り

トリノイドの魔の手により老人の姿にされたリリアンは自暴自棄になり遂にはゴミ収集車にダイブしようとしてしまう。
この行動はあまりにもアバレポイントが高いが決して笑い事ではないと思う。
現代の日本、特にインターネットにおいても若さを売りとした人々はたくさんいる。
そういった人々が何れ若さという武器を失った時どうなってしまうのかということを改めて考えさせられる。
多分作者(ミケラ)はそこまで考えてないと思うけど。
その場はらんるが駆けつけて事なきを得るがそれでもショックに変わりはない。
だが、そこで折れる心ではスターにはなれない。

「私は恐竜になればいい」

恐竜のように古くなっても輝き続けるスターを目指すとリリアンは豪語した。
故にその姿は老いてもスターだった。
例え気遣いだったとしてもその決意に偽りはなく、間違いなく実現させるであろうことをらんるだけでなく視聴者にすら見せつけた。
第4話でらんるが語ったように
現状に嘆くのではなく、それを受け入れ恐れずに前を進む大切さがアバレイエローの大きな武器であり羽ばたくための翼になっているのだと強く断言できる。

「みんなの幸せを踏み躙るなんて許せない」

強い闘志を胸に抱き、アバレイエローは戦場へ向かう。
既にトリノイドとの追いかけっこで疲弊しているアバレッドとアバレブルーに代わり
単独でトリノイドを追い詰めるアバレイエロー。

その場にあったテニスボールとラケットから放たれる「アバレスマッシュ」からのアバレモードによる連続攻撃「イエローフライングダガー」の猛攻。
そしてバックに流れる挿入歌のコンビネーションには感服させられる。
長ったらしいが簡潔に言えば「めちゃんこカッコいい」のだ。
「もう一度夢をみそうよ、ベラカミ〜」

らんる個人回は今回や第4話のように単独で敵を圧倒するシーンがとても多く、ヒーローものとして見ても非常に見所がある点が凄く好きだ。
彼女のヒーロー性やトリノイドの残虐さとお腹を壊したりするコメディさも相まって、
アバレンジャー全体を通してみても個人的にはかなり好きだ。
らんるについて語りたい物語はまだまだ有るので今回はこの辺りにしておこう。
ただこの時点で気掛かりなのはやはりアスカの行末だろう。
今回の話でアスカと暗黒の鎧に身を包む女性と因縁があるのは明らかだ。


では今回の記事はここまで!
次回の記事は今まで敢えて抑えていたアスカとエヴォリアンとの因縁について触れていくこととなる第7〜8話「復活の竜人魂!」でお会いしましょう!

次回の記事は↓

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