#53 ショッピングモール
土曜日の午前中に手伝ってほしいとの息子のメールがあった。息子夫婦は土曜日にショッピングモールに買い物に行くので、買い物の間、孫のはやたとりつを見てほしいとのことだ。
息子も異動で勤務地が変わり平日は残業の日が多い。息子の嫁も平日は勤務し、さらに家事と育児も加わり、とてもハードな日課だ。買い物は、土日にまとめて買いに行くことが多い。今週は、保険契約の更新の都合で息子夫婦で行かなければいけないところがあり、その間の子供の面倒を見てほしいとの息子からのメールがあったのだ。
土曜日の、ショッピングモールは混んでいた。私ははやたとりつを連れて3階のショッピングモールのキッズスペースに行った。空気がいっぱい入った、大きなふわふわな滑り台。いろいろな風船が入った風船ルーム。野菜やケーキなどでのごっこ遊びのできるおもちゃなどもあった。有料だが、人数の制限もあり安心して遊びを見守っていた。私は、子供同士がぶつかって、けがしないか見守っていた。はやたもりつも、何回も、滑り台をしたり、風船ルームに入って楽しんだ。りつは、ほかの幼児のおばあちゃんとケーキ屋さんごっこもしていた。あっという間に1時間がたって、息子夫婦がたくさんの食料品や日用品の入ったカートを押して私たちを迎えに来た。
キッズスペースから出たはやたは、横にあるゲームセンターに行った。そこでお兄ちゃんがクレーンゲームでスーパーボールをたくさんゲットしているのを見ていた。そして「はやたもしたい‼」といった。はやたはお父さんと一緒に何回かゲームをして、黄色と赤と青のスーパーボールをゲットした。はやたは、その場で黄色のスーパーボールを「ピカチュウの色」と言ってりつにあげた。その後昼食を食べ私たちは帰路についた。私は、近くの駅で息子の家族と別れることになった。
駅についたとき、はやたは「おじいちゃんこれ」と言って、クレーンゲームでとった青いスーパーボールを私にくれた。「ありがとう」と私が言うと、「その青いスーパーボール、ゼニガメの色やで~。はやたのは、赤やから、リザードンやで~。おじいちゃん、そのスーパーボールおばあちゃんと使って~」と言った。車の外に出た私に、はやたもりつも、「バイバイ~~」と手を振りながら大きな声で言った。やがて、車はゆっくりと走りだし、交差点を右折して商店街の向こうに消えていった。