#61 パソコン
学校から帰ってきたしょうとのランドセルが重かった。去年から時々ノートパソコンを家に持って帰る時がある。今日も、国語の宿題の漢字学習は、タッチペンを使ってのパソコンでの学習だった。そのあと、パソコンでカナヘビが食べるえさのことを調べて、自主学習ノートに書いていた。去年と比べて、タイピングの速度が速くなっているのに驚いた。
文字を書くことが苦手なしょうとは、小3ぐらいから漢字の学習につまづきがみられ、鉛筆で字を書くことへの苦手意識が強くなってきた。その結果として学習意欲が低下してきた。
教師をしていたこともあり、孫のしょうとの書字のことが気になった。漢字ドリルをみてみると、へんとつくりのバランスが悪く、その中には、へんとつくりが逆の鏡文字もあった。さらに、ノートが汚れていた。
書いている時の様子を見ていると、鉛筆を握る指や手に、とても力が入っていた。2~3字を書くだけで、鉛筆を置いて手首を振っていた。また、大きな消しゴムで、間違ったところだけを消すのでノートやプリントが汚かった。
そこで私は、強い筆圧による疲労を和らげるため、鉛筆用のグリップを使わせた。ノートの汚れの改善のために、安価な消しゴムを、しょうとの使いやすい大きさに切って使わせた。漢字を覚えやすいように、漢字のへんとつくりに意識することも助言した。しかし、字のバランスが悪いことを指摘して書き直しをさせたり、『ていねいに書くこと』をしょうとに強制しなかった。ただ、明らかなまちがいだけは指摘した。
5年になった今も、しょうとは依然として書くことは苦手だ。いろいろなことを助言したが、結局、字が汚いことや苦手なことは今も変わらない。しかし、書くことが嫌いなことが原因で、極端に学力が低下したとも思わない。
これから、鉛筆で文章を書くと同様に、パソコンを使って文章を作ることが、授業や宿題やレポートでさらに認められると、しょうとにとって、学習が楽にすすめられゆようになると思っている。