#69 交通当番

火曜日の午後3時前に、私は小学校の交通当番のために、所定の場所に急いだ。小学校1年生と2年生の児童が帰る時間に、国道の横断歩道で交通当番をするのだ。その日は、朝から雨が降っていた。

傘をさして、長靴を履いて、マスクをした1年生の集団が帰ってきた。みんな「ありがとう」とかわいい声で言ってくれた。しばらくして、2年生の集団が帰ってきた。「あっ、しょうと君のおじいちゃんや」「りこちゃんのおじいちゃんや」と子供たちは言った。わたしもこの子供たちと一緒に、横断歩道を渡り、家に帰っていった。子どもたちは、歩道に残るあちこちの水たまりに勢いよく入って、水が飛び散るのを楽しんでいた。「いつも、こんな感じで学校に行くの?」と聞くと、「帰りはこんな感じやで~。学校に行く時は、まとまっていくので、もっと早いけど~。6年生の人らははやいで~。私ら慣れたけど、1年の初めはしんどかったわ。」私は、りこが1年のとき、頬を真っ赤にして帰ってきたのを思い出した。

4時過ぎに、私としょうとは治療院に行った。治療院の受付のよこで、小学校1年になった先生の娘さんが宿題をしていた。「くまさんがふくろをみつけました。・・・・・ながいながい、はなのいっぽんみちができました。」と大きな声で音読していた。私は、しょうとやりこがこの「はなのみち」を音読し、音読カードにチェックしていた時のことを思い出した。

わずか3・4年前の、しょうとやりことの低学年の日々は、今では懐かしい思い出になっていた。

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