#67 絵のプレゼント
土曜日に息子の家族が帰ってきた。 「おじいちゃんの顔をかいてあげる」といって、5歳になったはやたは、五月のカレンダーの裏に絵をかいてくれることになった。 「他に何かかいてほしい?」と言ったので、「そうやな~。 魚とかぞうをかいてくれる」と私がいうと、「ぞうは大きいからあかん」ということだった。
「おじいちゃん。かき終わるまでみたらあかんで~。 となりの部屋で待っといて~」といって、はやたは、物置になっている部屋に入り、クレヨンで絵をかいていた。
絵をかきながらはやたは「にじが にじが 空にかかって きみの きみの 気分もはれて きっと明日はいい天気 きっと明日はいい天気」と保育所でならった「にじ」と言う歌を、繰り返し口ずさんでいた。
「できたで~。これ、おじいちゃんにあげる。 オオサンショウウオもホタルもかいてあげたで~」といって、私ははやたの絵をもらった。 私の顔とその下にオオサンショウウオとホタルをクレヨンでかいてあった。 空白のところには、鳥や、ライオンや、犬のシールも貼ってあった。 「ありがとう。これ、はやたと見に行ったオオサンショウウオやん。 上手やな。 またかいて。」 と私が言った。
私たちは2階の箪笥の横にはやたの絵を貼り付けた。 貼り終えて「おじいちゃん、朝起きた時と寝る前にみてや~」とはやたは言った。