#55 メダカ

「おじいちゃん、メダカの卵見たことある?」学校から帰ってすぐ、しょうとが私に話をした。「理科の時間にメダカの卵を見たわ。顕微鏡で見たらよくわかるな~。」

この辺で、メダカが住めるきれいな川がほとんどないことや、最近は急激に自然が少なくなってることや、地球温暖化の影響もあることもしょうとは言った。

「おじいちゃんが住んでいるところの自然も守ってほしいな~。」と私が言うと、「そやな、おじいちゃんのところ、自然がのこってるでな~。これから川に蛍も飛ぶし、オオサンショウウオもいるし。あまごもいるし・・。」としょうとは言った。「おじいちゃん、自然を守るのには、外来生物駆除も大切やで。ダムにいるブラックバスや雷魚らの駆除は大事やで。テレビで池の水を抜いて外来種の魚を捕まえる番組、よう見てたわ・・・。」

「顕微鏡でメダカ見たときどんな感じやったん。」と私が聞いた。「ほんまによくわかったわ。よう~見たら動いてるねん。目もあるしな。ふしぎやな~と思ったわ。もっと見たいと思ったわ。」としょうとは言った。「なんで」というと、「見てたら面白かったし、もっと卵のことが分かると思ったからやで。」と答えた。私が、「それが、勉強やで~。勉強って、不思議やなあ~と思ったことを、もっと調べることやで~」というと、「先生も、今日『勉強って面白いで~』っていってたわ。そら、顕微鏡みている時はそう思ったけど、ほとんどの時間は、先生の話を聞いたり、観察の記録をノートに書いてるだけやで~。そやから、俺は勉強が面白いと思わへんわ。」といって、しょうとは水筒のお茶を飲んだ後、YouTubeを見るためにテレビのリモコンを探していた。

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